賃貸の更新案内が届き、何気なく封筒を開けてみたら、予想以上の請求額。
「え、引っ越すわけでもないのに、こんなに払うの?」と驚くこともありますよね。
今までどおり住み続けるだけなのに、口座からまとまったお金が出ていくのは、なかなか納得しにくいものです。
とはいえ、賃貸の更新料は、契約内容によって支払う必要があるため、高いからといって一方的に拒否できるものではありません。
この記事では、賃貸の更新料が高すぎると感じる理由から、請求内容の確認方法、交渉の考え方、更新と引っ越しの費用比較まで詳しく紹介します。
賃貸の更新料が高すぎる理由
更新料は毎月の家賃と違い、契約更新のタイミングでまとまって発生することがあります。
普段の生活費に組み込んでいないと、突然大きな出費が発生したように感じやすいものです。
住み続けるだけでお金がかかる
賃貸の更新料がもったいなく感じる大きな理由は、支払っても目に見える変化がないことではないでしょうか。
引っ越しなら新しい部屋へ移れますし、家電を買えば新しいものが手に入ります。
ところが更新料は、払ったあとも同じ部屋で、同じように生活を続けます。
何も変わっていないのに、口座残高だけがしっかり減る。
これでは、もったいないと感じるのも無理はありませんよね。
ただし、更新料は賃貸借契約で定められる費用であり、何も受け取っていないから支払わなくてよいというものではありません。
家賃とは別に請求される
毎月の家賃をきちんと払っていても、契約更新時には更新料が必要になる物件があります。
例えば、家賃7万円の部屋で更新料が7万円と定められていれば、更新月は通常の家賃とは別にまとまった支払いが発生します。
契約条件によっては、ほかの費用まで加わる場合もあります。
普段の家賃が無理なく払えていても、更新時の出費まで問題なく払えるとは限りません。
更新料以外の費用も重なる
更新時に支払うお金は、必ずしも更新料だけではありません。
契約によっては、次のような費用も発生します。
- 契約更新料
- 更新事務手数料
- 保証会社の更新費用
- その他の付帯契約の更新費用
そのため、更新料自体は契約書どおりでも、請求総額が想像以上に大きくなることがあります。
更新案内に記載された総額だけでなく、それぞれ何の費用なのかを分けて確認することが大切です。
物件によって更新条件が違う
賃貸の更新料は、全国すべての物件で同じ金額が決まっているわけではありません。
更新料が設定されている物件もあれば、更新料がない物件もあります。
地域によって慣行が異なることもありますが、最終的には自分が結んでいる契約の確認が欠かせません。
友人の部屋では更新料がなかったからといって、自分の部屋でも不要になるわけではないのです。
更新料を予算に入れていない
毎月の生活費は管理していても、数年に一度の更新料までは考えていないことがあります。
更新の案内が来て初めて、「そういえば、そんなお金も必要だった」と思い出すこともありますよね。
私は、賃貸の更新料も車検や家電の買い替えと同じように、まとまった支出として準備するほうが家計を管理しやすいと思います。
賃貸の更新料は払うべき?
「更新料なんて払いたくない」と思っても、自己判断で請求を無視するのは避けましょう。
支払いが必要かどうかは、契約内容が重要になります。
更新料は契約内容で決まる
賃貸の更新料について、一般財団法人不動産適正取引推進機構では次のように説明しています。
更新料は、賃貸借契約の定めによって、契約更新の際に貸主と借主の間で授受される金銭です。
つまり、更新料は賃貸借契約の取り決めに基づく費用です。
契約書に更新料の定めがあれば、原則としてその内容に従う必要があります。
一方、契約書に記載がないのに突然請求された場合などは、請求の根拠を確認する必要があります。
まずは入居時に交わした契約書を探し、更新料の条項を確認しましょう。
高いだけでは拒否できない
更新料の金額が予想以上だったとしても、高いという理由だけで支払いを拒否できるとは限りません。
契約書に定められた更新料については、原則として有効とされる場合があります。
ただし、著しく高額な条項などについては、個別の事情によって法的な判断が異なります。
金額や条項に疑問がある場合は、管理会社へ確認し、必要に応じて消費生活センターや不動産の専門相談窓口へ相談しましょう。
更新事務手数料とは別物
契約更新料と更新事務手数料は、名前が似ていますが同じ費用ではありません。
更新料は契約に基づいて貸主へ支払う費用で、更新事務手数料は更新手続きに関する事務の対価として請求されることがあります。
更新事務手数料については、誰がどの業務を依頼したのかなどによって負担の考え方が変わる場合があります。
請求されているから当然払う、あるいは事務手数料だから払わなくてよいと、どちらかに決めつけないことが大切です。
契約書と請求内容を確認し、不明な点は説明してもらいましょう。
更新費用の7つの確認ポイント
賃貸の更新費用が高すぎると感じたら、支払う前に請求書の内訳を整理してみましょう。
すべて値下げできるわけではありませんが、金額の根拠を理解することで、確認や相談が必要な部分を見つけられます。
1.契約書の更新料を確認する
最初に確認するのは、賃貸借契約書です。
更新料が定められているか、金額や計算方法がどう記載されているか確認します。
「家賃の何カ月分」と書かれている場合は、請求額がその条件に合っているか見てみましょう。
契約書が見つからない場合は、管理会社などへ確認する方法もあります。
2.請求金額の内訳を確認する
更新案内の総額だけで判断せず、項目ごとの金額を確認します。
更新料が高いと思っていたら、実際には保証会社の更新費用なども含まれていたということもあるでしょう。
内訳が分からない場合は、請求元へ明細を確認しましょう。
3.更新事務手数料の内容を聞く
更新事務手数料が含まれている場合は、何の手続きに対する費用なのか確認します。
契約書などに記載があるか、金額の根拠は何かを聞いてみましょう。
疑問がある場合は、納得できる説明を求めることが大切です。
4.保証会社の更新費用を見る
家賃保証会社を利用している場合、保証契約にも更新費用が設定されていることがあります。
賃貸借契約の更新料とは別の費用なので、保証会社の契約内容も確認しましょう。
更新時期が一致していない場合もあるため、今後いつ費用が発生するか把握しておくと便利です。
5.付帯契約の費用を確認する
賃貸借契約に関連するサービスなどで、更新に伴う支払いが必要になる場合があります。
何のサービスなのか、いつまで利用できるのかを確認しましょう。
契約上必要な費用かどうか判断できない場合は、管理会社へ説明を求めてください。
知らない項目を見つけたときは、勝手に削るのではなく、内容と契約上の扱いを確認することが基本です。
6.請求の重複がないか確認する
複数の費用が並んでいる場合は、それぞれ異なる内容の請求なのか確認します。
同じような名称があっても、別の契約に関する費用かもしれません。
一方で、金額や項目に誤りがあれば訂正が必要になります。
判断できない場合は、どの契約に対応する費用なのかを聞いてみましょう。
7.支払期限と解約期限を確認する
更新費用の金額だけでなく、支払期限も確認します。
また、引っ越しを検討している場合は、退去の予告期限も重要です。
契約によっては、退去を申し出るタイミングが遅れると、予定していなかった費用が発生する場合があります。
更新案内が届いたら、金額だけを見て封筒を閉じるのではなく、期限まで確認しておきましょう。
更新料の交渉方法
更新料が高いと感じるなら、管理会社や貸主へ相談する方法があります。
ただし、相談できることと、必ず値下げしてもらえることは別です。
更新前に早めに相談する
更新料について相談したい場合は、更新期限の直前まで放置しないようにしましょう。
更新案内が届いた段階で内容を確認し、気になる点があれば早めに問い合わせます。
直前になると、ほかの物件と比較したり、支払い方法を検討したりする時間も少なくなります。
金額だけでなく理由を確認する
更新料の請求が契約書と違う場合は、その理由を確認しましょう。
更新料が前回より増えているなら、どのような条件変更があったのか確認することも大切です。
単に高いと伝えるより、具体的な疑問を整理したほうが話を進めやすくなります。
減額の相談をしてみる
どうしても負担が大きい場合は、減額を相談する方法もあります。
ただし、契約で定められた金額を必ず下げてもらえるわけではありません。
相談するときは、今後も住み続けたいことや、負担が大きいと感じている理由を落ち着いて伝えましょう。
私は、最初から強い言葉で値下げを要求するより、まず相談できる余地があるか確認するほうがよいと思います。
支払い方法の相談も考える
金額を減らせなくても、支払う時期や方法について相談できる場合があります。
もちろん、分割払いなどに対応するかは貸主や管理会社の判断によります。
支払えないことが分かっているなら、期限を過ぎる前に相談することが大切です。
強引な交渉は避ける
更新料が高いからといって、支払わないと一方的に宣言するのは避けましょう。
契約内容に基づく支払いを無視すれば、トラブルにつながる可能性があります。
納得できない点がある場合は、契約書や請求書を手元に置いて確認し、それでも解決しなければ専門の相談窓口を利用しましょう。
更新と引っ越しはどっちが得?
更新料が高すぎると、「いっそのこと引っ越したほうがいいのでは?」と考えることもありますよね。
ただし、更新料を払うのが嫌だからという理由だけで引っ越すと、かえって出費が増える場合があります。
更新する場合の費用
まず、今の部屋に住み続ける場合の費用を整理しましょう。
- 更新料
- 更新事務手数料など
- 保証会社などの更新費用
- 今後支払う家賃・管理費
更新時にまとまった費用がかかっても、その後の家賃が無理なく払えるなら、住み続ける選択にもメリットがあります。
引っ越しの手間や時間がかからないことも見逃せません。
引っ越す場合の費用
引っ越す場合は、新しい部屋の家賃だけを比較しないようにしましょう。
- 新居の敷金・礼金
- 仲介手数料
- 保証会社に関する費用
- 引っ越し業者代
- 現在の住まいの退去費用
- 家具や日用品の購入費用
新居の家賃が少し安くても、入居するまでにまとまったお金が必要になります。
場合によっては、今の部屋と新居の家賃を重複して支払う期間が発生することもあります。
引っ越し関連の費用については、引っ越し費用を節約する方法も参考にしてみてくださいね。
何カ月で元が取れるか考える
更新と引っ越しを比較するときは、住み替えの追加費用を毎月の家賃差で回収できるか考える方法があります。
例えば、仮に次の条件だったとします。
- 今の部屋を更新する場合の一時費用:8万円
- 引っ越しに必要な一時費用:30万円
- 引っ越した場合に安くなる家賃:月1万円
この場合、引っ越しのほうが最初に22万円多くかかります。
毎月の家賃が1万円安くなるなら、単純計算では22カ月でその差を回収できます。
もちろん、これは計算方法を示すための仮の数字であり、実際には新居の更新費用や退去費用の精算なども考慮する必要があります。
数カ月しか住まない予定なのか、何年も住む予定なのかによって、得になる選択は変わります。
更新料だけで引っ越しを決めない
更新料が高くても、今の部屋が家賃・立地・設備の面で気に入っているなら、無理に引っ越す必要はありません。
新しい部屋を探す時間や荷造りの手間にも、それなりの負担があります。
更新料を節約するために引っ越したのに、家具の買い替えや新居の初期費用で大きな出費になってしまっては本末転倒です。
今の家賃が高いなら住み替えも検討する
一方、今の家賃が家計を圧迫しているなら、更新を機に住み替えを考える価値があります。
特に、現在の生活に合わない部屋へ住み続けている場合は、毎月の家賃を見直すことで長期的な負担を減らせるかもしれません。
更新料だけに注目せず、これから払う住居費全体で判断しましょう。
家賃そのものを見直したい場合は、家賃を節約する方法もあわせて見てみてくださいね。
更新料を払えないときの対処法
更新料の請求内容に問題がなくても、まとまったお金をすぐ用意できないことがあります。
そんなときは、支払いを放置するのではなく、状況を整理しましょう。
まず不足額を確認する
最初に、請求総額と現在使えるお金を確認します。
いくら不足しているのか分かれば、どのような相談が必要なのか整理しやすくなります。
ただし、家賃や食費など、普段の生活に必要なお金まで使い切る計画は避けたいところです。
期限前に管理会社へ相談する
支払期限までに用意するのが難しい場合は、早めに管理会社や貸主へ相談しましょう。
分割や支払時期の調整に応じてもらえる可能性はありますが、必ず認められるわけではありません。
相談内容は、あとから確認できるよう記録を残しておくと安心です。
別の支払いを増やしてしのがない
更新料が払えないからといって、安易に借入や高額な手数料がかかる支払い方法へ頼るのは慎重に考えましょう。
今月の負担が軽くなっても、翌月以降の生活費が不足する可能性があります。
まず請求の内訳や支払方法について相談し、家計に無理のない対応を考えることが大切です。
次回の更新料を積み立てる
今回の更新費用を払えたら、次回に向けて少しずつ準備する方法があります。
例えば2年後に12万円の支払いが予定されているなら、24カ月で割ると毎月5,000円です。
これは特定の物件の相場ではなく、積立方法を説明するための例です。
毎月少しずつ取り分けておけば、次回の更新時に慌てる場面を減らせます。
更新料は突然発生する出費ではなく、契約時点で予定を確認できる支出です。
更新料専用の積立を作る
更新料として貯めているお金を、普段の生活費とは分けて管理する方法もあります。
銀行口座を増やさなくても、家計簿やメモで更新料分を区別するだけで構いません。
私は、更新料のように使う時期が決まっているお金は、普段の貯金と分けて考えるほうが分かりやすいと思います。
こうした支出の管理方法は、特別費の貯め方と管理方法でも詳しく紹介しています。
毎月の住居費として考える
更新料を毎月の家賃とは完全に別物として考えると、更新時だけ大きな負担に感じられます。
そこで、次回の更新までの期間で割って、毎月の住居費に含めて考える方法があります。
例えば家賃が7万円で、2年ごとに更新料7万円がかかる契約なら、更新料だけで毎月約2,917円を積み立てる計算です。
管理費や保証会社の費用なども含めると、実際の住居費は家賃の表示額より大きくなる場合があります。
賃貸物件を比較するときは、毎月の家賃に加え、更新までに必要な費用も含めた総額を見ると判断しやすくなります。
賃貸の更新料でよくある疑問
賃貸の更新料はなぜ必要?
賃貸借契約の更新に際して、契約上の取り決めに基づいて支払う費用です。
更新料の有無や金額は物件によって異なります。
そのため、すべての賃貸住宅で必ず発生するわけではありません。
更新料が家賃1カ月分なら高い?
金額だけで高いかどうかを一律に判断することはできません。
契約条件や地域の慣行などによって異なるためです。
まず契約書の内容と請求額が一致しているか確認しましょう。
更新料は払わなくてもいい?
契約書に更新料の定めがある場合は、原則として支払う必要があります。
契約書に定めがない場合や請求内容に疑問がある場合は、まず請求元へ根拠を確認してください。
支払いに関するトラブルが解決しない場合は、専門の相談窓口を利用しましょう。
更新料は交渉できる?
管理会社や貸主へ相談することはできます。
ただし、契約内容によっては減額が認められない場合があります。
更新期限まで余裕を持って相談することが大切です。
更新料を分割払いにできる?
分割払いに応じてもらえるかは契約や請求元の対応によって異なります。
支払期限までに用意できない場合は、事前に管理会社などへ相談しましょう。
無断で支払いを遅らせるのは避けてください。
更新事務手数料も払う必要がある?
更新事務手数料は、更新料とは別の費用です。
手数料を誰が負担すべきかは、契約内容や業務の依頼関係などによって判断が変わる場合があります。
請求の根拠が分からない場合は説明を求めましょう。
更新料なしの物件ならお得?
更新料がないことは、住居費を抑えるうえで一つのメリットです。
ただし、毎月の家賃や管理費、入居時の初期費用などが高ければ、総額では別の物件より負担が大きくなる場合があります。
更新料だけでなく、住み続ける期間の総額を比較しましょう。
更新前に引っ越せば払わなくていい?
退去時期や解約予告の期限、更新料の発生条件などによって異なります。
契約満了日より前に引っ越す予定でも、解約の申し出が遅れると予定外の費用が発生する可能性があります。
引っ越すと決めたら、早めに契約書を確認してください。
更新料の請求が急に増えたら?
契約書の更新条件と、今回の請求内容を照らし合わせましょう。
前回と金額が違う場合は、何が変更されたのか管理会社へ確認します。
説明を受けても納得できない場合は、契約書や請求書を持って専門の相談窓口へ相談する方法があります。
まとめ
賃貸の更新料が高すぎると感じたら、まず契約書と請求書を確認しましょう。
更新料以外の費用が含まれている場合もあるため、内訳を分けて見ることが大切です。
気になる項目があれば管理会社へ説明を求め、負担が大きい場合は減額や支払方法について相談できるか確認してみてください。
更新料を節約するために重要なのは、支払いを一方的に拒否することではなく、契約内容を理解し、住み続ける場合と引っ越す場合の費用を冷静に比較することです。
また、次回の更新料を少しずつ積み立てておけば、更新のたびに家計が苦しくなるのを防ぎやすくなります。
まずは賃貸借契約書を開き、更新料の金額と次の更新時期を確認してみてくださいね。
関連記事





コメントをどうぞ!