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転職で年収が下がるのはアリ?後悔しない許容範囲と判断基準

転職したい会社が見つかったものの、提示された年収が今より低いと迷いますよね。

仕事内容は魅力的でも、「年収を下げてまで転職して後悔しないかな」と不安になるのは自然です。

実際、転職すれば必ず年収が上がるわけではなく、転職後に賃金が下がる人もいます。

年収が下がる転職で大切なのは、下落率だけではなく、生活できるか、将来上がる可能性があるか、年収以外に何を得られるかを比較することです。

この記事では、転職で年収が下がる理由やどこまでなら許容できるのか、転職してもよいケース、後悔しないための確認事項まで紹介します。

転職で年収が下がる人は珍しくない

転職というと「キャリアアップして年収も上げる」というイメージがありますが、実際には年収が下がるケースもあります。

転職者の約3割は賃金が下がっている

厚生労働省の令和7年雇用動向調査では、転職入職者のうち前職より賃金が増加した人は40.8%、減少した人は31.0%でした。

つまり、転職した人の約3人に1人は前職より賃金が下がっています。

転職で年収が下がること自体は、特別珍しいことではありません。

年収が下がる転職への抵抗は強い

一方で、年収ダウンを簡単に受け入れられる人ばかりではありません。

マイナビの2026年転職活動実態調査では、68.6%が年収の下がる転職を受け入れられないと回答しています。

生活へ直接影響するため、慎重になるのは当然です。

「下がる=失敗」とは限らない

年収が下がっただけで、その転職が失敗だったとは判断できません。

残業時間が大きく減ったり、希望する仕事へ移れたりする場合もあります。

反対に、年収が上がっても毎日の負担が大きくなり、転職を後悔するケースもあります。

給与だけではなく、転職後の生活全体を見る必要があります。

転職で年収が下がる7つの理由

年収が下がる理由を理解しておくと、提示された条件が妥当なのか判断しやすくなります。

1.未経験の仕事へ転職する

未経験の職種では、これまでの経験をそのまま評価してもらえない場合があります。

最初は経験者より低い給与からスタートし、仕事を覚えてから昇給するケースもあります。

未経験転職なら、初年度の年収だけでなく数年後の給与水準まで確認したいところです。

2.給与水準の低い業界へ移る

同じような仕事でも、業界によって給与水準は異なります。

現在より平均給与の低い業界へ転職すれば、経験があっても年収が下がる可能性があります。

会社だけではなく、業界全体の給与水準も確認しましょう。

3.役職が変わる

現在は管理職でも、転職先では一般社員からスタートすることがあります。

役職手当がなくなれば、基本給が同程度でも年収は下がります。

役職だけではなく、自分がどのポジションで採用されるのか確認することが大切です。

4.賞与が少なくなる

月給だけを見ると年収が上がるように見えても、賞与を含めると下がることがあります。

例えば現在の会社で賞与が年間4カ月分あり、転職先では2カ月分なら差は大きくなります。

内定時は月給だけではなく、想定年収の内訳まで確認しましょう。

5.手当がなくなる

会社によって用意されている手当は異なります。

  • 住宅手当
  • 家族手当
  • 資格手当
  • 役職手当
  • 通勤手当

基本給が上がっていても、これまで受け取っていた手当がなくなれば手取りが減る場合があります。

6.残業代が減る

残業の多い会社から残業の少ない会社へ転職すると、残業代の分だけ年収が下がることがあります。

これは必ずしも悪い年収ダウンとは限りません。

年間50万円下がっても、毎月何十時間もの残業がなくなるなら、時間との交換として納得できる人もいます。

7.勤務地が変わる

地域によって給与水準には差があります。

都市部から地方へ転職する場合などは、同じ職種でも年収が下がることがあります。

ただし、家賃や通勤費など生活コストも変わるため、年収だけでは判断しにくい部分です。

年収が下がっても転職していいケース

年収ダウンだけを理由に、魅力的な転職先をすべて諦める必要はありません。

長期的に見れば、下がってでも転職する価値があるケースがあります。

やりたい仕事へ移れる

現在の仕事を今後も続けたいと思えず、本当に興味のある仕事へ移れる場合です。

特に未経験職への転職では、一時的に年収が下がることがあります。

ただし、「好きだから」だけではなく、その仕事を数年続けた先の給与やキャリアも確認しましょう。

将来の年収アップが期待できる

初年度は年収が低くても、その後に経験を積むことで給与が上がりやすい仕事もあります。

重要なのは、「将来上がるはず」と思い込まないことです。

昇給制度やキャリアパス、同じポジションで働いている人の給与例などを確認しましょう。

残業や休日出勤が大きく減る

年収が下がっても自由に使える時間が大幅に増えるなら、納得できる人もいます。

例えば年収が30万円下がっても、年間300時間の残業が減るなら時間の価値も含めて比較できます。

自分が何のために転職するのかを明確にしておくことが大切です。

現在の職場で長く働くのが難しい

仕事内容や働き方が自分に合わず、今後何年も続けるのが現実的ではない場合もあります。

年収だけを理由に現在の会社へ残ることが最善とは限りません。

転職そのもののメリットとデメリットは、転職のメリット・デメリットもあわせて見てみてくださいね。

将来使えるスキルを得られる

市場で需要のある経験を積めるなら、一時的な年収ダウンを将来への投資と考えられる場合があります。

ただし、本当にその経験が次のキャリアで評価されるのかは求人などで確認しておきましょう。

生活コストも下がる

地方への転職や実家の近くへ戻る場合など、年収と同時に生活費が下がるケースがあります。

年収が50万円下がっても、家賃や交通費が年間60万円減るなら家計には余裕が出る可能性があります。

給与額ではなく、毎月いくら残るのかまで比較しましょう。

避けたほうがいい年収ダウン

反対に、年収が下がることへ慎重になったほうがいいケースもあります。

生活費が足りなくなる

最も避けたいのは、転職した瞬間から毎月赤字になる状態です。

仕事内容が魅力的でも、生活が成り立たなければ長く続けるのは難しくなります。

最低限必要な生活費を確保できることは、最初に確認しましょう。

年収が下がる理由を説明できない

「なんとなくこの会社がよさそう」という理由だけで、大幅な年収ダウンを受け入れるのは慎重になったほうがよいでしょう。

何を得る代わりに年収を下げるのか、自分で説明できる状態にしておきます。

将来の昇給条件が曖昧

「入社後に頑張れば上がります」と言われても、具体的な条件が分からなければ判断できません。

昇給時期や評価制度について、可能な範囲で確認しておきましょう。

福利厚生まで大きく減る

比較するときは額面年収だけを見ないことが大切です。

現在会社が負担している制度がなくなると、実質的な負担が増えることがあります。

  • 家賃補助
  • 社員食堂や食事補助
  • 企業型確定拠出年金
  • 退職金制度

年収100万円ダウンに加えて福利厚生まで減るなら、実際の差はさらに大きくなる場合があります。

転職理由が「今の会社から逃げたい」だけ

現在の職場を辞めたい気持ちが強いと、次の会社の条件を十分確認せず決めたくなります。

辞めること自体が必要な場合もありますが、焦って次の会社を決める必要はありません。

私は、転職したい気持ちが強いときほど、「今の会社を辞めたい理由」と「次の会社へ入りたい理由」を別々に書き出したほうが判断しやすいと思います。

年収はどこまで下がっても大丈夫?

「5%なら大丈夫」「10%以上は危険」と全員に当てはまる基準はありません。

同じ10%の年収ダウンでも、家計の余裕によって影響が大きく違います。

公的な許容ラインはない

厚生労働省の統計では、賃金変動を「1割未満」「1割以上」などに分けて集計しています。

しかし、10%以内なら安全という意味ではありません。

許容できる下げ幅は自分の生活費から計算する必要があります。

まず毎月の手取り減少額を見る

年収だけを見ると、生活への影響をイメージしにくくなります。

転職後の想定手取りを確認し、現在から毎月いくら減るのか計算しましょう。

税金や社会保険料によって額面年収と手取りは一致しないため、額面だけで判断しないことがポイントです。

最低生活費を確認する

直近数カ月の支出から、生活を維持するために毎月必要な金額を確認します。

  • 家賃
  • 食費
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 交通費
  • 毎月必要な返済や支払い

転職後の手取りからこれらを差し引いて、余裕が残るか確認しましょう。

貯金までできるかを見る

毎月ぎりぎり生活できるだけでは、急な出費へ対応しにくくなります。

転職後も少額でも貯金や予備費を確保できるか確認したいところです。

年収100万円ダウンは月額に直して考える

例えば額面年収が500万円から400万円になるなら、年間では100万円の減少です。

単純に12カ月で割ると、額面では月約8万3,000円の差になります。

賞与の割合などによって毎月の給与差は異なりますが、生活へ与える影響は小さくありません。

「100万円くらいなら」と感覚で決めず、月単位へ直して考えましょう。

生活に余裕が残る範囲を許容ラインにする

私なら、「何%下がるか」より、転職後の手取りから毎月の生活費を引いても余裕が残るかを基準にします。

家計に十分な余裕がある人なら10%以上下がっても選べる場合があります。

現在すでに月末ぎりぎりなら、5%の年収ダウンでも負担になる可能性があります。

年収以外に比較したい条件

転職先を比較するときは、給与だけを一列で比べないようにしましょう。

年間休日

年収が同じでも、年間休日が105日の会社と125日の会社では働き方が大きく違います。

一日あたりの収入だけを計算する必要はありませんが、休める時間も一つの条件です。

残業時間

残業代込みで年収が高くなっている場合があります。

現在と転職先の平均残業時間を比較しましょう。

固定残業代が含まれている場合は、その時間数も確認します。

通勤時間

給料には表れませんが、毎日の通勤時間は生活へ大きく影響します。

片道30分短くなれば、往復で1時間の自由時間が増えます。

年間で考えるとかなり大きな差になります。

仕事内容

年収が上がっても、やりたくない仕事を長時間続けることになれば満足できない可能性があります。

逆に少し下がっても、希望する仕事へ移れることを重視する人もいます。

身につく経験

数年後の転職市場で評価される経験を積めるかも確認しましょう。

現在の年収だけではなく、3年後や5年後の選択肢を増やせる会社かを見ることが大切です。

福利厚生

給与以外の制度も、実質的な待遇の一部です。

特に現在利用している制度が転職先にもあるか確認しましょう。

後悔しないための7つの確認

内定をもらってから慌てて考えるのではなく、応募や面接の段階から条件を整理しておくと判断しやすくなります。

1.現在の年収を正確に確認する

毎月の基本給だけではなく、賞与や各種手当も含めて現在の年収を確認します。

源泉徴収票を見ると年間の給与総額を確認しやすいです。

2.転職先の想定年収の内訳を見る

「年収450万円」と書かれていても、その中に何が含まれているか確認します。

  • 基本給
  • 固定残業代
  • 各種手当
  • 想定賞与

特に賞与は会社の業績や評価によって変わる場合があります。

3.毎月の家計を計算する

転職後の収入で、今の生活を維持できるか確認します。

年収ダウンを受け入れてから大幅な節約が必要になると、転職自体を後悔する可能性があります。

4.3年後の年収を確認する

初年度だけでなく、その会社で経験を積んだ人がどの程度の給与になっているか確認します。

求人票や企業の採用情報、面接時の説明などを参考にしましょう。

5.転職で得られるものを書き出す

年収が下がる代わりに何を得られるのか整理します。

  • 自由な時間
  • 希望する仕事内容
  • 新しいスキル
  • 働きやすい環境

得られるものが明確なら、年収ダウンにも納得しやすくなります。

6.今の会社に残る場合も考える

転職先だけを見ていると比較対象がなくなります。

現在の会社へあと3年残った場合に、給与や仕事がどうなりそうかも考えてみましょう。

現在の会社で年収アップを狙えるなら、年収を上げる方法も参考にしてみてくださいね。

7.内定をもらってから最終判断する

転職を考え始めた段階で「年収を下げる覚悟」を決める必要はありません。

実際の提示条件が出てから比較すればよいのです。

私は、転職活動は「絶対転職する」と決めてから始めるものではなく、今よりよい選択肢があるか確認するために始めてもよいと思います。

年収を下げないためにできること

転職したいからといって、最初から年収ダウンを受け入れる必要はありません。

同じ経験を高く評価する会社を探す

現在の会社では普通の経験でも、別の会社では求められている場合があります。

一社だけでなく複数の求人を見ることで、自分の経験がどのくらいの年収で募集されているか分かります。

給与水準の高い業界も見る

職種を大きく変えなくても、業界を変えることで給与水準が変わることがあります。

自分の経験をそのまま活かせる隣接業界も確認してみましょう。

実績を数字で説明する

面接では「頑張りました」だけでは評価しにくくなります。

売上、改善率、担当件数など、可能な範囲で具体的な成果を説明しましょう。

希望年収を決めておく

最低でもいくら必要なのか、できればいくら欲しいのかを事前に整理します。

自分でも希望額が分からない状態では、提示された条件をそのまま受け入れやすくなります。

一社だけで決めない

可能なら複数の企業を比較しましょう。

一社しか選択肢がないと、その条件が良いのか悪いのか判断しにくくなります。

転職先そのものの比較方法は、失敗しない転職先の選び方もあわせて見てみてくださいね。

よくある疑問

年収が下がる転職は失敗なの?

必ずしも失敗ではありません。

働く時間が減る、希望する仕事へ移れる、将来のキャリアにつながるなど、年収以外のメリットが大きい場合もあります。

ただし、生活できないほど下がる転職は慎重に考える必要があります。

何%までなら許容できる?

全員共通の許容率はありません。

現在の生活費と転職後の想定手取りを比較して、自分で判断する必要があります。

10%という数字だけを安全ラインとして使わないようにしましょう。

100万円下がるのは大きい?

年収500万円から400万円なら20%の減少です。

額面では月平均約8万3,000円の差になるため、家計への影響は小さくありません。

その差以上のメリットがあるか慎重に比較しましょう。

未経験転職なら下がっても仕方ない?

未経験では年収が下がる場合がありますが、必ず下げなければならないわけではありません。

これまでの経験を活かせる業界や会社なら、条件を維持できる可能性もあります。

年収が下がっても幸せになれる?

年収だけで仕事や生活の満足度は決まりません。

ただし、お金の不安が強くなるほど下げると別のストレスが生まれます。

生活できる収入を確保したうえで、時間や仕事内容とのバランスを考えましょう。

転職後にまた年収を上げられる?

可能性はあります。

転職先で昇給する方法もあれば、経験を積んで次の転職で上げる方法もあります。

ただし、将来上がることを前提に無理な年収ダウンを受け入れないことが大切です。

今の年収を企業に伝えたほうがいい?

選考や条件交渉の中で現在の年収を確認されることがあります。

実際の金額と違う数字を伝えず、賞与や手当を含めた現在の条件を整理しておきましょう。

転職活動だけ始めてもいい?

問題ありません。

今の会社を辞めると決める前に求人を確認し、実際にどの程度の年収を提示されるのか確かめる方法があります。

転職活動をした結果、今の会社へ残る判断をしても構いません。

まとめ

転職で年収が下がることは珍しくありませんが、下がってでも転職するべきかは人によって違います。

重要なのは、下落率だけを見て判断しないことです。

転職後の手取りで生活できるか、年収以外に得られるものがあるか、将来の収入につながるかをまとめて比較しましょう。

また、初年度の給与だけではなく、賞与や手当、残業、休日、数年後のキャリアまで確認することが大切です。

まずは現在の年収と毎月必要な生活費を確認し、「自分はいくらまでなら下げられるのか」を数字にしてみてくださいね。

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