節約しているつもりなのに、なぜか毎月お金が残らない。
そんなときは、一つひとつの出費を細かく削るより、家計全体を一度リセットするほうが効果的なことがあります。
家計リセットとは、現在の収入や支出、固定費、貯金方法などを整理し、お金の流れを作り直すことです。
難しい家計簿を毎日つける必要はありません。
今のお金の流れを確認し、負担になっている部分を一つずつ整えるだけでも家計は見やすくなります。
この記事では、家計リセットのやり方や始めるタイミング、赤字家計を立て直すためのポイントをわかりやすく解説します。
家計リセットとは?
家計リセットとは、これまでのお金の使い方を一度整理し、現在の生活に合った家計へ組み直すことです。
毎月赤字だからといって、食費や娯楽費を片っ端から削るわけではありません。
まず収入と支出の全体像を確認し、どこに問題があるのかを見つけます。
そのうえで、必要に応じて固定費や生活費、貯金方法などを見直します。
家計が苦しくなる原因は人によって違います。
食費が多い人もいれば、家賃や保険などの固定費が重い人もいます。
クレジットカードの利用額を把握できていない人もいるでしょう。
原因が違うのに、「とにかく節約しよう」と同じ方法で頑張っても、なかなか改善しません。
家計リセットでは、まず自分の家計のどこに負担があるのかを確認することから始めます。
家計簿を最初からやり直すことではない
家計リセットと聞くと、「今までの家計簿を全部集計し直さなければならない」と感じる人もいるかもしれません。
そこまで細かく考える必要はありません。
過去の支出を何ヶ月分も1円単位で分類するより、直近1〜3ヶ月程度のお金の流れがわかれば十分です。
銀行口座やクレジットカード、電子マネーなどの履歴を見るだけでも、大まかな傾向はつかめます。
家計管理が続かなかった経験がある人ほど、最初から完璧を目指さないことが大切です。
家計リセットが必要なサイン
家計は、多少予算を超えたからといって毎回リセットする必要はありません。
旅行や家電の購入など、大きな支出があった月だけ赤字になることもあります。
一方、次のような状態が何ヶ月も続いているなら、一度家計全体を見直したほうがよいでしょう。
- 給料日前になると毎月お金が足りなくなる
- クレジットカードの請求額を見て毎回驚く
- 毎月の生活費がいくらなのかわからない
- 貯金してもすぐ取り崩してしまう
- 固定費を何年も見直していない
- 使っていないサービスへ毎月料金を払っている
- 収入が増えても貯金額が増えない
- ボーナスを生活費の補填に使っている
特に注意したいのが、毎月の不足分をボーナスや貯金で補っている状態です。
一時的には乗り切れても、通常の収入だけでは生活費をまかなえていない可能性があります。
また、クレジットカードの支払い額を把握できていない場合も、家計の全体像が見えにくくなります。
毎月の赤字を「今月だけ」と考え続けているうちに、半年や1年経ってしまうこともあります。
家計リセットは、お金に困ってから行うものではありません。
「最近ちょっとお金が残らないな」と感じた時点で行うほうが、立て直しも楽になります。
家計リセットのやり方7選
家計を立て直すときは、いきなり節約を始めるのではなく、順番に整理することが大切です。
ここでは、家計リセットの基本的な流れを7つに分けて紹介します。
1.手取り収入を確認する
最初に確認したいのは、毎月実際に使えるお金です。
給与の額面ではなく、税金や社会保険料などが差し引かれたあとの手取り収入を基準にします。
夫婦や家族で家計を管理している場合は、家計に入れる収入を合計しましょう。
毎月残業代などで金額が変わる場合は、平均より少し低めの金額で予算を組むと安心です。
収入が多かった月を基準にすると、残業が少ない月に生活費が不足しやすくなります。
家計リセットでは、「最大でいくら使えるか」ではなく、無理なく毎月入ってくる金額を基準に考えます。
2.直近の支出を確認する
次に、直近1〜3ヶ月の支出を確認します。
細かい家計簿を作る必要はありません。
まずは次のような大きな項目に分けるだけでも十分です。
- 住居費
- 水道光熱費
- 通信費
- 保険料
- 食費
- 日用品費
- 交通費
- 交際費
- 娯楽費
- クレジットカードの支払い
- サブスクリプションなどの月額料金
大切なのは、「使いすぎた自分を反省する」ことではありません。
まず事実として、どこにいくら使っているかを確認します。
食費が高いと思っていたのに、実際には通販や月額サービスの支出のほうが多かったということもあります。
自分の感覚と実際の支出が一致しているとは限りません。
3.固定費を見直す
支出を確認したら、固定費から見直します。
固定費とは、毎月ほぼ自動的に発生する支出です。
- 家賃や住宅ローン
- スマートフォン料金
- インターネット料金
- 保険料
- サブスクリプション
- スポーツジムや習い事
- 駐車場代
固定費は一度見直せば、その後も節約効果が続きやすいのがメリットです。
例えば月2,000円の不要なサービスを解約できれば、1年間では24,000円になります。
毎日数十円を我慢するより、生活への負担が少ない場合もあります。
ただし、安くすることだけを目的にする必要はありません。
よく利用しているサービスや、生活の満足度を大きく高めているものなら残して構いません。
「使っているか」「払っている金額に納得しているか」という基準で判断しましょう。
固定費を含め、無理なく支出を小さくする暮らし方については、質素な生活の記事でも詳しく紹介しています。
4.変動費に大まかな予算を作る
固定費の次は、食費や日用品費などの変動費を確認します。
ここで細かすぎる予算を作る必要はありません。
「食費は42,300円、日用品は6,700円」のように細かく設定すると、管理すること自体が負担になる人もいます。
例えば、食費と日用品をまとめて月6万円、自由費を2万円というように、大きな枠で考えても構いません。
月単位で管理しにくい場合は、週単位に分ける方法もあります。
月8万円の生活費なら、単純に4週間で分けると週2万円です。
週ごとに目安を作れば、月の前半で使いすぎた場合にも早めに気づけます。
5.クレジットカードを整理する
家計が見えにくくなる原因のひとつが、複数のクレジットカードや決済方法を使い分けすぎることです。
カードAで日用品、カードBで通販、電子マネーでコンビニ、QRコード決済で外食という状態になると、合計支出を把握するのが難しくなります。
カードをすべて1枚にする必要はありませんが、普段使いを1〜2枚程度に絞ると管理しやすくなります。
また、カードの利用額は請求確定後ではなく、月の途中でも確認しましょう。
請求額が確定してから「こんなに使ったのか」と気づいても、その月の買い物はすでに終わっています。
週に一度程度利用履歴を見るだけでも、使いすぎに早く気づけます。
6.貯金を先に分ける
毎月余ったお金を貯金しようとすると、なかなか残らないことがあります。
そこで、給料が入ったら先に貯金分を分けておく方法があります。
例えば手取り25万円で、無理なく1万円を貯められそうなら、給料日に1万円を別口座へ移します。
残った24万円の中で生活する仕組みにします。
最初から高い貯金額を設定する必要はありません。
3万円を設定して毎月取り崩すより、5,000円でも継続して残せるほうが家計は安定します。
貯金は「頑張った月だけするもの」ではなく、毎月の支出のひとつとして考えると続けやすくなります。
7.自由に使えるお金を残す
家計リセットというと、不要な支出をすべて削るイメージを持つかもしれません。
しかし、自由に使えるお金までゼロにすると、長続きしないことがあります。
カフェ、趣味、洋服、外食など、自分が楽しみにしている支出には一定の予算を残しましょう。
例えば毎月1万円を自由費と決めたなら、その範囲では好きに使います。
予算内であれば、使ったことを毎回後悔する必要はありません。
買い物そのものが好きな人は、欲しいものを完全に禁止するよりも、最初から予算へ組み込んだほうが管理しやすくなります。
買い物への気持ちが強く、予算を超えやすい場合は、物欲が強い人の特徴も参考にしてみてください。
家計を削りすぎない
家計リセットで失敗しやすいのが、短期間で支出を減らそうとして生活を極端に変えてしまうことです。
赤字を見ると焦って、「外食禁止」「コンビニ禁止」「趣味禁止」といった厳しいルールを作りたくなるかもしれません。
最初の数週間は続いても、我慢が積み重なると反動で大きく使ってしまうことがあります。
家計を改善するときは、生活の満足度に与える影響が小さい支出から見直すほうが続きやすくなります。
削る優先順位を決める
見直しやすい順番は、次のように考えるとわかりやすいでしょう。
- 使っていない固定費
- 満足度の低い買い物
- 習慣で使っているお金
- 買い方を変えれば安くできる支出
- 満足度の高い趣味や楽しみ
まずは、なくなっても生活がほとんど変わらないものから整理します。
反対に、毎週楽しみにしている趣味を真っ先に削ると、節約そのものが苦痛になりやすくなります。
食費を極端に減らさない
食費は毎月金額が見えやすいため、家計が赤字になると最初に削りたくなる項目です。
しかし、食事の量や質を必要以上に落とすのはおすすめできません。
食費を見直すなら、食べる量を減らすよりも、無駄になっている部分を探しましょう。
- 買った食材を使い切れず捨てている
- 予定外の外食が多い
- コンビニを毎日のように利用している
- 同じ商品を割高な場所で買っている
- 冷蔵庫にあるものを確認せず買い足している
こうした部分なら、生活の満足度を大きく下げずに改善できます。
金額より満足度を見る
1,000円使ったから無駄、5,000円使ったから贅沢とは限りません。
友人との楽しい食事に使った5,000円には十分な価値があるかもしれません。
反対に、何となく通販で買った1,000円の商品は、届いたあと一度も使わないこともあります。
家計リセットでは、単純に金額が高いものを削るのではなく、自分にとって満足度が低い支出を探すことが大切です。
家計を元に戻さないコツ
一度家計をリセットしても、何も仕組みを作らなければ少しずつ元の状態へ戻ることがあります。
毎日家計簿をつけ続ける必要はありませんが、定期的に確認する習慣は作っておきましょう。
月1回だけ確認する
毎日家計をチェックするのが苦手なら、月1回でも構いません。
給料日や月末など、自分が覚えやすい日に確認します。
見る項目も多くする必要はありません。
- 今月の収入
- カード請求額
- 口座残高
- 貯金額
- 予定外に大きかった支出
この程度でも、家計が大きく崩れる前に気づきやすくなります。
支払い方法を増やしすぎない
お得なポイントを求めて支払い方法を増やしすぎると、家計管理が複雑になります。
数%のポイントを得るために、支出全体が見えなくなってしまっては本末転倒です。
ポイント還元だけでなく、「管理しやすいか」という視点も持ちましょう。
新しい固定費は慎重に増やす
家計リセット後に注意したいのが、新しい月額サービスです。
月500円や1,000円程度なら気軽に契約できますが、固定費は一度増えると毎月続きます。
新しく契約するときは、金額だけではなく年間費用まで考えてみましょう。
月1,000円なら年間12,000円です。
その金額を払ってでも使いたいサービスなのかを考えると判断しやすくなります。
収入が増えても生活費を急に上げない
昇給や転職で収入が増えると、少しずつ生活水準も上がりやすくなります。
外食の回数が増えたり、家賃の高い部屋へ引っ越したり、買い物の単価が上がったりすることがあります。
生活を豊かにするためにお金を使うのは悪いことではありません。
ただし、収入が増えるたびに支出も同じだけ増えると、いつまで経っても貯金は増えません。
収入が増えたときこそ、増えた分の一部を貯金へ回す仕組みを作ると家計が安定します。
家計リセットのタイミング
家計リセットは、年始や年度初めだけに行うものではありません。
生活環境や収入が変わったときも見直すタイミングです。
特に次のような時期は、家計を確認しておくとよいでしょう。
- 転職や昇給で収入が変わったとき
- 引っ越したとき
- 結婚や出産など家族構成が変わったとき
- 子どもの進学時期
- 車を購入したとき
- 保険を更新するとき
- 貯金が数ヶ月続けて減っているとき
- クレジットカード請求が急に増えたとき
生活が変われば、以前作った家計が合わなくなるのは自然なことです。
5年前に最適だった通信プランや保険が、今も最適とは限りません。
家計は一度作ったら完成するものではなく、生活に合わせて調整していくものです。
使いすぎた月にもリセットできる
旅行やイベントが重なって、予定以上にお金を使ってしまう月もあります。
その場合、翌月に極端な節約をして取り返そうとする必要はありません。
まず、使いすぎた金額と原因を確認します。
一時的な支出なら、翌月から通常の予算へ戻せばよいだけです。
毎月同じ理由で赤字になっているなら、予算そのものを見直します。
家計リセットでは、「使いすぎたことを反省する」より、次に同じことが起きない仕組みを作ることが重要です。
よくある質問
家計リセットは何ヶ月分確認すればいい?
まずは直近1〜3ヶ月程度で構いません。
毎月金額が大きく変わる場合は、半年程度確認すると平均的な支出を把握しやすくなります。
毎月赤字なら何から減らせばいい?
最初に固定費を確認しましょう。
使っていないサブスクリプションや不要なオプションなど、生活への影響が少ないものから整理すると続けやすくなります。
そのあとで食費や娯楽費などの変動費を確認します。
家計簿をつけなくてもできる?
家計簿を毎日つけなくても家計リセットはできます。
銀行口座やクレジットカード、電子マネーの履歴を確認し、大まかな支出を把握するだけでも構いません。
細かく記録することより、定期的に家計の状態を確認するほうが重要です。
貯金はいくら設定すればいい?
すべての人に共通する金額はありません。
家賃や家族構成、収入によって無理なく貯められる金額は変わります。
最初は少額でもよいので、毎月取り崩さず続けられる金額を設定しましょう。
赤字分をボーナスで補っても大丈夫?
一度だけ大きな支出があった場合なら、ボーナスから補うこともあるでしょう。
しかし、毎月の生活費不足をボーナスで補っている場合は、通常の収入と支出のバランスが崩れている可能性があります。
固定費や生活費を一度確認することをおすすめします。
家計リセットはどのくらいの頻度ですればいい?
大きな見直しは半年から1年に一度程度でも十分です。
ただし、転職や引っ越しなど生活が大きく変わった場合は、そのタイミングで確認するとよいでしょう。
月1回程度の簡単なチェックを続けていれば、大がかりなリセットが必要になる前に変化へ気づきやすくなります。
まとめ
家計リセットとは、節約を頑張ることではなく、お金の流れを一度整理して現在の生活に合った家計へ作り直すことです。
毎月お金が残らないからといって、いきなり食費や趣味を大きく削る必要はありません。
まずは手取り収入と直近の支出を確認し、固定費、変動費、クレジットカード、貯金方法の順に整理してみましょう。
特に、使っていない固定費や満足度の低い支出は、生活への負担を抑えながら見直しやすい部分です。
また、家計を整えたあとも月に一度程度確認する習慣を作っておけば、大きく崩れる前に修正できます。
家計は、一度赤字になったからといって失敗ではありません。
生活が変われば、必要なお金も変わります。
今の自分に合わなくなった家計を、その都度整え直す。
その感覚で家計リセットを取り入れてみてください。

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