「食費って、毎月いくらにすればいいんだろう?」
家計を見直そうと思ったとき、最初に悩みやすいのが食費の予算です。
ネットで平均額を調べても、自分の家計より高かったり低かったりして、「結局いくらなら使っていいの?」と迷ってしまいますよね。
実は、食費の予算にすべての家庭へ当てはまる正解はありません。
家族の人数だけでなく、子どもの年齢、外食の頻度、仕事中の昼食、住んでいる地域などによって必要な金額は大きく変わるからです。
大切なのは平均額へ無理に合わせることではなく、自分の家計と実際の生活から続けられる食費予算を作ること。
この記事では、食費の平均を見るときの注意点から、自分に合った予算の決め方、予算オーバーを防ぐ7つのコツまでわかりやすく紹介します。
食費の予算はいくら?
食費の予算を決めるとき、「一人暮らしなら○万円」「4人家族なら○万円」といった数字を知りたくなるものです。
平均額は参考になりますが、そのまま自分の目標額にする必要はありません。
総務省統計局の2025年家計調査では、1カ月の「食料」への支出は、単身世帯で平均49,321円、二人以上の世帯で平均94,895円となっています。
ただし、この数字には食材だけでなく、外食や調理食品、菓子類、飲料なども含まれます。
また、二人以上の世帯の平均世帯人数は2.87人です。
家族構成や年齢、生活スタイルが違えば、必要な食費も変わります。
そのため、「平均より高いから使いすぎ」「平均より低いから優秀」と単純に判断しないほうがよいでしょう。
平均額は参考程度でOK
例えば、同じ二人暮らしでも生活はさまざまです。
- 毎日二人分のお弁当を作る家庭
- 平日の昼食は会社で食べる家庭
- 週末はよく外食する家庭
- お酒をほとんど飲まない家庭
- 食べ盛りの子どもがいる家庭
- 食物アレルギーなどで購入する食品が限られる家庭
これらを同じ金額へ収めようとするほうが無理があります。
平均は「世の中ではこれくらい使われている」という参考資料として使い、自分の予算は自分の支出から決めるのがおすすめです。
手取りの何%ならいいとは限らない
「食費は手取りの○%以内にする」といった考え方を目にすることもあります。
割合を目安にするのは便利ですが、これも絶対的な基準ではありません。
同じ手取り30万円でも、家賃が5万円の家庭と12万円の家庭では、食費へ回せる金額が違います。
さらに、子どもの有無や車の維持費、教育費などによって家計の余裕も変わります。
食費だけを収入の一定割合に押し込めるのではなく、家計全体を見ながら調整しましょう。
予算を決める前に確認すること
食費を節約したいからといって、いきなり「来月から3万円」と数字を決めるのはおすすめできません。
まずは今どれくらい使っているのかを確認します。
現在地がわからないまま予算を作ると、実際の生活とかけ離れた金額になりやすいからです。
直近3カ月の食費を見る
できれば、直近3カ月程度の食費を確認してみましょう。
例えば、次のような結果だったとします。
- 1カ月目:63,000円
- 2カ月目:59,000円
- 3カ月目:64,000円
この場合、平均は62,000円です。
ここからいきなり40,000円へ下げると、22,000円も生活を変えなければなりません。
かなり大きな節約なので、途中で苦しくなる可能性があります。
まず60,000円程度を目指し、慣れてきたら少しずつ調整するほうが現実的です。
食費に何を含めるか決める
「うちは食費が高い」と思っていても、家庭によって食費として計算している範囲が違います。
スーパーで買った食材だけを食費にしている人もいれば、外食やお菓子、お酒まで全部含めている人もいます。
例えば、次のように分けておくとわかりやすくなります。
- 自宅で使う食材
- 惣菜・弁当・テイクアウト
- 外食
- お菓子・飲み物
- お酒
細かく分けるのが面倒なら、「食材」と「外食・その他」の2つ程度でも構いません。
重要なのは、毎月同じルールで確認できることです。
日用品を混ぜていないか確認する
スーパーやドラッグストアでは、食材と一緒に洗剤、ティッシュ、シャンプーなどを購入することがあります。
レシートの合計金額をすべて食費として計算していると、本当の食費より大きく見えてしまいます。
毎回1円単位まで分ける必要はありませんが、日用品の割合が大きい場合は別にしてみましょう。
「食費が高いと思っていたけれど、実は日用品をかなり買っていた」というケースもあります。
食費予算の決め方
現在の食費がわかったら、実際に予算を作っていきます。
ポイントは、理想から逆算するのではなく、今の生活から少しずつ調整することです。
1.現在の平均額を出す
まずは直近2〜3カ月程度の平均額を出します。
食費が45,000円、52,000円、50,000円なら、平均は49,000円です。
この金額が、現在の生活を続けた場合に必要な食費の目安になります。
家計簿をつけていない場合は、クレジットカードやキャッシュレス決済、銀行口座などの履歴から大まかに確認するだけでも構いません。
2.減らせそうな支出を探す
次に、食費の中身を見ます。
全部を一律に削る必要はありません。
例えば、次のような支出が多くなっていないか確認します。
- 買ったまま捨てている食材
- 予定になかったお菓子や飲み物
- 何となく寄ったコンビニ
- 使い切れないまとめ買い
- 疲れた日に増えるデリバリー
- 回数が増えている外食
この中から、自分がそれほど満足していない支出を探します。
毎週楽しみにしている外食を無理に削るより、冷蔵庫の中で忘れられている食材を減らすほうが、生活の満足度を下げずに節約できます。
3.少しだけ低い予算にする
現在の平均食費が60,000円なら、最初から40,000円を目標にする必要はありません。
例えば、まず57,000円や55,000円程度にしてみます。
3,000円なら、1日あたりにすると約100円です。
買い物の回数を少し減らす、予定外のお菓子を数回減らす、食材を使い切るといった工夫でも届きやすくなります。
逆に、一気に20,000円減らそうとすると、食事そのものを大きく変えなければならない場合があります。
続かない節約より、小さくても続く節約のほうが家計には残ります。
4.月予算を週予算に分ける
食費を月60,000円と決めても、月末まで残額を意識し続けるのは少し大変です。
そこで、週単位へ分けて管理します。
例えば月60,000円なら、単純に4週間で割れば15,000円です。
ただし、1カ月はきっちり4週間ではないので、実際には少し余裕を持たせると安心です。
例えば、週13,000円を4回分で52,000円、残り8,000円を月末調整用や外食などの予備費として残す方法があります。
週単位なら、「今週は少し使いすぎたから、次の買い物は家にあるものを使おう」と早めに調整できます。
5.予備費を残しておく
食費予算をギリギリまで使い切る前提にすると、少し予定が変わっただけで予算オーバーします。
急に家族が家で食事をすることになったり、来客があったり、体調が悪くて惣菜を買ったりすることもあります。
毎月数千円程度を「食費の予備」として残しておくと、こうした変化を吸収しやすくなります。
予備費まで使わなければ、そのまま翌月へ繰り越したり貯金したりすればOKです。
予算オーバーする原因
食費の予算を作ったのに毎月超えてしまうと、「自分は節約が苦手なんだ」と思ってしまうかもしれません。
しかし、予算オーバーは意志の弱さだけで起きるわけではありません。
予算設定そのものや買い方に原因があることもあります。
予算が低すぎる
毎月60,000円かかっている食費を、理由もなく40,000円に設定していれば、超えるのは不思議ではありません。
予算は目標であると同時に、現実の生活で使えるお金でもあります。
何カ月続けても同じようにオーバーするなら、「もっと我慢する」より予算そのものを見直してみましょう。
家計全体で予算を超えやすい場合は、毎月予算オーバーする原因と家計を予算内に収めるコツも参考にしてみてください。
買い物の回数が多い
食費は、一度に大量のお金を使うより、小さな買い物が積み重なって増えるケースが多くあります。
牛乳だけ買いにスーパーへ行ったのに、お菓子と惣菜も買う。
翌日は卵がなくなって、またスーパーへ行く。
そのたびに予定外の商品を一つ追加していると、月では大きな金額になります。
スーパーで予定外の商品が増えやすい人は、スーパーで買いすぎる原因と無駄遣いを減らすコツも確認してみてください。
月の前半に使いすぎる
給料日直後や月初は、「まだ予算がたくさん残っている」と感じます。
少し高い食材を買ったり、外食したりしても余裕があるように見えます。
ところが、月の後半になって残金が少なくなり、急に厳しい節約生活へ。
これを繰り返しているなら、月予算ではなく週予算で管理するほうが向いている可能性があります。
食材を捨てている
食費を下げるというと、安いスーパーを探したくなります。
しかし、もっと先に確認したいのが食品ロスです。
200円安く食材を買えても、500円分を使わずに捨てていれば家計はプラスになりません。
冷蔵庫の奥から賞味期限切れの商品がよく出てくる人は、買う量を減らしたほうが節約につながることがあります。
食材を余らせやすい場合は、食材を使い切れない原因と無駄にしない買い物習慣も参考にしてください。
食費を抑える7つのコツ
食費の予算を守るために、食べる量を減らしたり、毎日安いものだけを食べたりする必要はありません。
買い方と使い方を少し変えるだけでも、無駄な支出は減らせます。
1.買い物前に冷蔵庫を見る
一番簡単なのが、スーパーへ行く前に冷蔵庫と食品棚を見ることです。
家に何があるかわからない状態で買い物すると、同じ商品を重複して買いやすくなります。
「肉はある」「牛乳がない」「野菜を少し買えばいい」程度の確認で十分です。
在庫管理表を作る必要はありません。
冷蔵庫を見る30秒だけでも、余計な買い物を防ぎやすくなります。
2.買うものをメモする
買い物前に必要なものを簡単に書き出します。
メモがあれば、店内の商品を見ながら「何を買おうかな」と考える時間が減ります。
リスト以外の商品を絶対に買ってはいけないわけではありません。
ただ、予定外の商品だとわかったうえで買うだけでも、カゴへ入れる前に一度考えられます。
3.買い物回数を減らす
毎日スーパーへ行っているなら、まず週に一度だけ行かない日を作ってみましょう。
買い物の回数が減れば、特売品や新商品、お菓子などを見る機会も減ります。
ただし、一週間分を大量にまとめ買いして食材を余らせるなら逆効果です。
自分が無理なく使い切れる量と頻度を探してください。
4.安さだけで選ばない
大容量商品や特売品は、一つあたりの価格が安くなることがあります。
しかし、食べ切れなければ節約にはなりません。
500円の大容量商品より、350円の少量商品を全部使い切ったほうが結果として安い場合もあります。
「単価が安いか」だけでなく、「必要な量か」も確認しましょう。
5.外食用の予算を別にする
外食が多い家庭では、食材費と外食費を一緒にすると予算の原因がわかりにくくなります。
例えば、食材45,000円、外食15,000円のように、大まかに分けてみましょう。
外食費が予算を超えているなら、スーパーで数十円安い食材を探し続けても大きな改善にはなりません。
ただし、外食を全部やめる必要はありません。
回数や予算をあらかじめ決めておけば、楽しみを残しながら管理できます。
外食が増えやすい人は、外食にお金を使いすぎる原因と無理なく減らす方法も参考になります。
6.使い切ってから買う
調味料、冷凍食品、レトルト食品、お菓子などは、家に残っていても新しいものを買いやすい商品です。
ストックは多少あったほうが便利ですが、多すぎると何を持っているかわからなくなります。
同じ調味料が3本あったり、冷凍庫がパンパンになっていたりするなら、買う前に今あるものを使う期間を作ってみましょう。
「家にあるものを食べる日」は、食費を使わない日にもなります。
7.一週間ではなく一カ月で考える
今週の食費が少し高かったからといって、すぐに失敗と考える必要はありません。
お米や調味料をまとめて買った週は高くなりますし、翌週は少なくなることがあります。
毎週きっちり同じ金額にするより、一カ月全体で予算に近づけば十分です。
数字に合わせるために必要な食事まで我慢するより、長い目で調整しましょう。
家族構成で考え方を変える
食費予算は、人数が増えれば単純に倍になるわけでもありません。
一人暮らしと家族世帯では、買いやすい商品や外食の使い方も違います。
一人暮らし
一人暮らしは、食材を使い切ることが難しい場合があります。
大容量パックのほうが単価は安くても、一人で消費できなければ無駄になります。
また、仕事が忙しい人は自炊だけにこだわると疲れてしまいます。
自炊用食材に加えて、惣菜や冷凍食品を使う予算も最初から入れておくと現実的です。
「全部自炊できた場合の理想額」ではなく、「自分が続けられる食生活に必要な金額」で予算を作りましょう。
二人暮らし
二人暮らしでは、二人それぞれが食費を払っている場合に支出を把握しにくくなることがあります。
一人がスーパー代を払い、もう一人が外食代を払っていると、家計全体で食費がいくらなのかわかりません。
細かく割り勘する必要はありませんが、月に一度くらい合計額を確認すると予算を決めやすくなります。
子どもがいる家庭
子どもがいる家庭では、人数だけではなく年齢も大きく影響します。
幼児と食べ盛りの中高生では、必要な食事量が違います。
給食の有無、部活動、習い事などによっても変わります。
前年と同じ食費予算を守れなくなったからといって、必ずしも無駄遣いが増えたとは限りません。
子どもの成長に合わせて、必要な食費が増えている可能性もあります。
生活が変わったら、予算も変えて構いません。
よくある質問
食費の予算は手取りの何%が目安?
一定の割合を参考にする方法はありますが、すべての家庭に当てはまる適正割合はありません。
家賃や教育費、車の維持費など他の支出によって、食費へ使える金額は変わります。
割合だけで決めるより、現在の食費と家計全体の収支から予算を作るほうが現実的です。
一人暮らしの食費はいくらが普通?
総務省統計局の2025年家計調査では、単身世帯の「食料」への支出は1カ月平均49,321円でした。
ただし、これは年齢や収入、地域などが異なる世帯をまとめた平均で、外食なども含まれています。
平均より高いか低いかだけで判断せず、自分の生活に必要な金額と比較してみてください。
食費予算に外食代は入れる?
どちらでも構いません。
大切なのは、毎月同じ方法で管理することです。
外食が多い人は食材費と外食費を分けたほうが、どちらが増えているのかわかりやすくなります。
逆に、外食がほとんどないなら食費としてまとめても問題ありません。
食費の予算を毎月超えるときは?
まず、予算が低すぎないか確認してください。
数カ月連続して同じくらいオーバーしているなら、実際の生活と予算が合っていない可能性があります。
そのうえで、食品ロス、予定外の買い物、外食など、どこで予算を超えているのか確認すると改善しやすくなります。
食費を減らすなら何から始める?
食べる量を減らす前に、捨てている食材や予定外に買っているものがないか確認するのがおすすめです。
必要な食事を削るより、使い切れずに捨てる食品や、何となくカゴへ入れている商品を減らすほうが無理なく続けられます。
予算が余ったら翌月へ回す?
翌月へ繰り越しても、貯金へ回しても構いません。
例えば、食費予算60,000円に対して55,000円で済んだなら、5,000円をそのまま貯金する方法があります。
翌月にお米などをまとめて買う予定があるなら、繰り越しておくのもよいでしょう。
余ったお金の使い道をあらかじめ決めておくと、何となく使ってしまうことを防げます。
まとめ:食費予算は自分の生活から決めよう
食費の平均額は参考になりますが、その数字へ無理に合わせる必要はありません。
まずは直近数カ月に自分がいくら使っているのかを確認し、その金額から無理なく減らせる部分を探してみましょう。
現在60,000円使っているなら、いきなり40,000円を目指すのではなく、57,000円、55,000円と少しずつ調整するほうが続けやすくなります。
また、食品ロスや予定外の買い物を減らせば、食べる量や楽しみを大きく削らなくても食費を下げられる可能性があります。
食費予算は、自分を我慢させるための数字ではなく、安心して食事にお金を使うための目安です。
まずは直近3カ月の食費を確認し、自分の家庭にとって無理のない金額を見つけるところから始めてみてください。

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