「投資信託とは何か」を調べ始めると、いきなり専門用語がたくさん出てきて、少し身構えてしまう方も多いのではないでしょうか。
基準価額、信託報酬、インデックスファンド、分配金、目論見書など、ふだんの生活ではあまり使わない言葉が並ぶと、投資を始める前から疲れてしまいますよね。
けれど、投資信託は仕組みをひとつずつ見ていけば、決して特別な人だけのものではありません。
投資信託とは、たくさんの人から集めたお金をひとつにまとめ、株式や債券などに分散して投資する金融商品です。
自分ひとりでたくさんの会社の株を買ったり、世界中の資産に投資したりするのは大変ですが、投資信託を使えば少額から分散投資をしやすくなります。
特に初心者が資産形成を始めるなら、投資信託の中でも低コストで分散しやすいインデックスファンドを中心に考えるのがおすすめです。
インデックスファンドとは、市場全体の値動きを表す指数に連動することを目指す投資信託です。
たとえば、日本株全体、米国株全体、全世界株式など、広い市場にまとめて投資できる商品があります。
個別株のように「どの会社が伸びるか」を自分で当てにいく必要が少なく、長期でコツコツ資産形成を続けやすいのが魅力です。
もちろん、投資信託は銀行預金とは違い、元本保証ではありません。
値上がりすることもあれば、値下がりすることもあります。
だからこそ、「なんとなく良さそう」で買うのではなく、仕組み・メリット・デメリット・選び方をきちんと理解しておくことが大切です。
この記事では、投資信託とは何かを初心者向けにやさしく解説しながら、インデックス投資を軸にした選び方や始め方まで分かりやすく紹介します。
投資にまだ苦手意識がある方でも、読み終えるころには「投資信託ってこういうものなんだ」と自然にイメージできるはずです。
投資信託とは何かを初心者向けに解説
投資信託とは、投資家から集めたお金をまとめて、株式や債券などに投資する金融商品です。
投資家は投資信託を購入することで、その投資信託が保有しているさまざまな資産に間接的に投資することになります。
たとえば、全世界株式に投資する投資信託を1本買えば、世界中の多くの企業にまとめて投資するような形になります。
投資信託の大きな特徴は、少額でも分散投資をしやすいことです。
個別株を自分で何十社も買おうとすると、まとまったお金と知識が必要になります。
しかし、投資信託なら1本の商品を通じて、複数の企業や国、資産に分散して投資できます。
たとえるなら、投資信託は「ひとつの商品を買うだけで、中身がいろいろ入った詰め合わせセット」のようなものです。
自分でひとつひとつ選ぶ手間を減らしながら、広く投資できるのが魅力です。
ただし、詰め合わせセットにも中身の違いがあるように、投資信託にもさまざまな種類があります。
日本株だけに投資するものもあれば、米国株に投資するもの、全世界に投資するもの、債券を中心にするものもあります。
投資信託を選ぶときは、名前の雰囲気ではなく中身を見ることがとても大切です。
投資信託は預金とは違う
投資信託と預金は、同じ「お金を置いておく場所」のように見えるかもしれません。
しかし、性質は大きく違います。
預金は基本的に元本が大きく変動しにくく、生活費や近いうちに使うお金を置いておく場所に向いています。
一方で、投資信託は日々価格が変動します。
投資先の株式や債券の価格が下がれば、投資信託の価値も下がります。
預金はお金を守る役割、投資信託は将来に向けて増やす可能性を取りにいく役割と考えると分かりやすいです。
もちろん、増える可能性があるということは、減る可能性もあります。
そのため、生活費や数年以内に使う予定のお金まで投資信託に回すのはおすすめできません。
まずは生活を守るお金を確保し、そのうえで長期で使わないお金を投資に回すのが基本です。
投資信託の価格は基準価額で表される
投資信託の価格は、一般的に「基準価額」と呼ばれます。
基準価額は、その投資信託が保有している資産の価値をもとに計算されます。
株式に投資している投資信託なら、株式市場の動きによって基準価額が上下します。
債券に投資している投資信託なら、金利や債券価格の動きなどの影響を受けます。
基準価額は毎日変動するものなので、投資信託を買ったあとに価格が下がることもあります。
初心者のうちは、毎日の値動きが気になってしまうかもしれません。
しかし、長期投資をするなら、短期の上下に振り回されすぎないことが大切です。
インデックス投資が選ばれる理由
投資信託にはさまざまな種類がありますが、初心者が資産形成を始めるなら、まずはインデックス投資を中心に考えるのがおすすめです。
インデックス投資とは、特定の指数に連動することを目指すインデックスファンドに投資する方法です。
指数とは、市場全体の値動きを表すものです。
たとえば、日本株式市場の動き、米国株式市場の動き、世界全体の株式市場の動きなどを表す指数があります。
インデックス投資の魅力は、シンプルで分かりやすく、長く続けやすいことです。
投資初心者が最初から個別株を選んだり、相場の上がり下がりを予想したりするのは簡単ではありません。
むしろ、いろいろ考えすぎて疲れてしまい、投資を続けられなくなることもあります。
インデックス投資なら、細かな銘柄選びに時間をかけすぎず、市場全体に広く投資しやすくなります。
個別株を当てにいかなくていい
個別株投資では、どの会社が成長するのかを自分で考えて選ぶ必要があります。
もちろん、それが楽しい人もいます。
企業分析が好きで、決算書を読むのが苦にならない人にとっては、個別株投資は魅力のある方法です。
しかし、多くの初心者にとって、最初から個別株を選び続けるのはハードルが高いものです。
業績、競合、景気、金利、為替、ニュースなど、見るべき情報がたくさんあります。
インデックス投資なら、特定の会社を当てにいく必要が少なくなります。
市場全体に広く投資するため、ひとつの会社の業績に大きく左右されにくくなります。
もちろん、市場全体が下がればインデックスファンドも下がります。
それでも、個別の会社選びで大きく失敗するリスクを抑えやすい点は、初心者にとって大きな安心材料です。
低コストの商品が多い
インデックスファンドは、アクティブファンドに比べて信託報酬が低めの商品が多い傾向があります。
信託報酬とは、投資信託を保有している間にかかる費用です。
一見すると小さな差に見えるかもしれませんが、長期投資ではこの費用差がじわじわ効いてきます。
長く持つ投資信託ほど、コストの低さは大切です。
たとえば、同じように世界株式へ投資する商品が複数あるなら、なるべく低コストで中身が分かりやすいものを選ぶほうが、長期では有利になりやすいです。
もちろん、信託報酬が低ければ何でもよいわけではありません。
投資対象、純資産総額、運用方針、実績などもあわせて確認する必要があります。
ただ、初心者が最初に選ぶなら、高コストで複雑な商品より、低コストでシンプルなインデックスファンドのほうが扱いやすいでしょう。
投資方針が分かりやすい
インデックスファンドは、特定の指数に連動することを目指す商品です。
そのため、何を目指して運用しているのかが比較的分かりやすい特徴があります。
たとえば、全世界株式の指数に連動する商品なら、世界中の株式市場全体に広く投資するイメージです。
米国株式の指数に連動する商品なら、米国の主要企業全体に投資するイメージです。
投資信託は、自分が理解できるものを選ぶことが大切です。
仕組みが複雑で、何に投資しているのか分からない商品を買うと、値下がりしたときに不安になりやすくなります。
その点、インデックス投資は考え方がシンプルなので、長く続けやすいのが魅力です。
長期投資と相性がいい
インデックス投資は、短期で一気に利益を狙う方法ではありません。
市場全体の成長に長期で乗っていく考え方です。
そのため、毎日の値動きを見て一喜一憂するよりも、長い時間を味方につけてコツコツ続けることが大切です。
インデックス投資は、投資の天才を目指すより、投資をやめない仕組みを作る方法に近いです。
短期的には大きく下がる時期もあります。
ニュースを見て不安になる日もあるでしょう。
それでも、生活に無理のない金額で積み立てを続ければ、相場に振り回されにくくなります。
資産形成は、派手な一発勝負ではなく、地味だけれど続けられる仕組みづくりが大切です。
投資信託のメリット
投資信託には、初心者が資産形成を始めやすいメリットがあります。
ここでは、特に知っておきたいメリットを紹介します。
少額から始めやすい
投資信託は、少額から購入できる商品が多くあります。
個別株を買う場合、銘柄によってはまとまった資金が必要になることがあります。
しかし、投資信託なら毎月少しずつ積み立てることもできます。
最初から大きなお金を入れなくても、投資の経験を積めるのは大きなメリットです。
投資初心者にとって、最初の一歩はとても緊張します。
いきなり大金を投資すると、少し下がっただけで落ち着かなくなるかもしれません。
まずは生活に影響しない金額から始めることで、値動きに少しずつ慣れていけます。
分散投資がしやすい
投資では、ひとつの投資先に集中しすぎないことが大切です。
すべてのお金をひとつの会社やひとつの国に集中させると、その投資先が大きく下がったときに資産全体への影響が大きくなります。
投資信託を使えば、1本の商品で複数の銘柄や地域に分散しやすくなります。
特に全世界株式や広い市場に連動するインデックスファンドなら、幅広い企業に投資しやすくなります。
投資信託は、初心者でも分散投資を実践しやすい商品です。
ただし、投資信託なら何でも十分に分散されているわけではありません。
特定のテーマや業種だけに集中する投資信託もあります。
そのため、商品名だけで判断せず、中身を確認することが大切です。
積立投資と相性がいい
投資信託は、毎月一定額を積み立てる投資と相性がよい商品です。
積立投資なら、一度に大きな金額を投資する必要がありません。
毎月決まった金額をコツコツ買っていくことで、投資タイミングに悩みにくくなります。
投資のタイミングを完璧に当てようとしなくていいのは、初心者にとって大きなメリットです。
相場が高いか安いかを毎回判断するのは、とても難しいことです。
投資のプロでも、いつが最高の買い時なのかを正確に当て続けるのは簡単ではありません。
積立投資なら、そうした迷いを減らしながら投資を続けやすくなります。
忙しい人でも続けやすい
投資信託、とくにインデックスファンドを使った投資は、忙しい人でも続けやすい方法です。
個別株のように、毎日ニュースを追い続けたり、企業の決算を細かく分析したりする必要は少なくなります。
一度投資方針を決め、積立設定をしておけば、あとは定期的に見直しながら続けられます。
投資に時間をかけすぎず、将来のためにコツコツ準備できるのが魅力です。
仕事、家事、家族との時間、趣味、睡眠。
人生には投資以外にも大切なことがたくさんあります。
インデックス投資は、投資を生活の中心にしすぎず、自然に資産形成を続けたい人に向いています。
投資信託のデメリットと注意点
投資信託にはメリットが多い一方で、注意点もあります。
良い面だけを見て始めると、値下がりしたときに「こんなはずじゃなかった」と感じやすくなります。
投資信託は便利な商品ですが、元本保証ではありません。
始める前に、デメリットもきちんと理解しておきましょう。
元本割れする可能性がある
投資信託は、投資先の価格が下がれば基準価額も下がります。
そのため、購入した金額よりも売却時の金額が少なくなることがあります。
これが元本割れです。
インデックスファンドであっても、市場全体が下がれば価格は下がります。
インデックス投資はリスクがない投資ではなく、リスクを分散しながら長期で向き合う投資です。
元本割れがどうしても怖い場合は、投資金額を小さくすることが大切です。
無理に大きな金額を投資すると、少しの値下がりでも不安になりやすくなります。
投資は、心が耐えられる範囲で行いましょう。
短期間では成果が出ないこともある
投資信託は、短期間で必ず利益が出る商品ではありません。
買った直後に値下がりすることもあります。
数年単位で見ても、相場環境によっては思うように増えない時期があります。
投資信託は、短期の儲けより長期の資産形成に向いている商品です。
「すぐに増やしたい」「短期間で大きく儲けたい」という気持ちが強い人には、投資信託は物足りなく感じるかもしれません。
しかし、資産形成では、焦って大きく増やそうとするほど失敗しやすくなります。
長期で使わないお金を、無理のない範囲でコツコツ積み立てる考え方が大切です。
手数料がかかる
投資信託には、購入時手数料や信託報酬などの費用がかかる場合があります。
最近は購入時手数料がかからない商品も多くありますが、信託報酬は保有している間に継続的にかかります。
長期投資では、信託報酬の差が将来の運用成果に影響することがあります。
投資信託を選ぶときは、リターンだけでなくコストも必ず確認するようにしましょう。
特に初心者は、説明が複雑で手数料が高い商品を選ばないよう注意が必要です。
まずは、低コストで投資対象が分かりやすいインデックスファンドを中心に検討すると安心です。
分配金が多い商品には注意が必要
投資信託の中には、定期的に分配金を出す商品があります。
分配金があると、毎月お金が受け取れるように感じて魅力的に見えるかもしれません。
しかし、分配金は必ずしも利益から出ているとは限りません。
場合によっては、元本の一部を取り崩すような形で分配されることもあります。
分配金の多さだけで投資信託を選ぶのは危険です。
資産形成を目的にするなら、分配金を受け取るよりも、分配金を出さずに内部で再投資するタイプのほうが向いている場合があります。
目先の受け取り額だけでなく、資産全体が増えているかどうかを見ましょう。
投資信託の主な種類
投資信託には、さまざまな種類があります。
初心者がすべてを覚える必要はありません。
ただし、基本的な違いを知っておくと、自分に合った商品を選びやすくなります。
インデックスファンド
インデックスファンドとは、特定の指数に連動することを目指す投資信託です。
市場平均に近い値動きを目指すため、運用方針がシンプルで分かりやすい特徴があります。
また、信託報酬が低めの商品も多く、長期投資と相性がよいです。
初心者が投資信託を始めるなら、まず中心に考えたいのがインデックスファンドです。
全世界株式、米国株式、日本株式、先進国株式など、さまざまな指数に連動する商品があります。
迷ったときは、投資対象が広く、低コストで、長期的に保有しやすい商品を検討するとよいでしょう。
アクティブファンド
アクティブファンドとは、市場平均を上回る成果を目指して運用される投資信託です。
運用担当者が銘柄を選び、独自の判断で運用します。
うまくいけば市場平均を上回るリターンを得られる可能性があります。
一方で、市場平均を下回ることもあります。
また、インデックスファンドよりも信託報酬が高めの商品が多い傾向があります。
アクティブファンドは、初心者が最初に選ぶにはやや難しい商品も多いです。
もちろん、すべてのアクティブファンドが悪いわけではありません。
ただし、選ぶ場合は運用方針、費用、実績、リスクをより丁寧に確認する必要があります。
株式型の投資信託
株式型の投資信託は、主に株式に投資する商品です。
株式は値動きが大きくなりやすい一方で、長期的な成長を期待しやすい資産です。
全世界株式や米国株式などのインデックスファンドも、株式型の投資信託に含まれます。
長期で資産形成をしたい人は、株式型のインデックスファンドを中心に考えることが多いです。
ただし、株式型は大きく値下がりする時期もあります。
短期的な下落に耐えられるか、自分のリスク許容度を確認しておきましょう。
債券型の投資信託
債券型の投資信託は、主に国債や社債などに投資する商品です。
株式型に比べると値動きが比較的落ち着きやすい傾向があります。
ただし、債券型だからといって元本保証ではありません。
金利の変動、為替の変動、発行体の信用リスクなどによって価格が動きます。
債券型は守りの資産として使われることがありますが、リスクがゼロではない点に注意しましょう。
バランス型の投資信託
バランス型の投資信託は、株式や債券など複数の資産にまとめて投資する商品です。
1本で複数の資産に分散できるため、初心者にも分かりやすいタイプです。
資産配分を自分で細かく考えるのが難しい人には、選択肢のひとつになります。
ただし、バランス型にもさまざまな商品があります。
株式の比率が高いものもあれば、債券の比率が高いものもあります。
同じバランス型でもリスクの大きさは商品によって違うため、中身を確認することが大切です。
投資信託の選び方
投資信託は数が多いため、初心者ほど「結局どれを選べばいいのか」と迷いやすいです。
ランキングや人気商品だけで選ぶと、自分に合わない商品を買ってしまうことがあります。
投資信託を選ぶときは、次のポイントを順番に確認しましょう。
まずはインデックスファンドを中心に考える
初心者が投資信託を選ぶなら、まずはインデックスファンドを中心に考えるのがおすすめです。
理由は、仕組みが分かりやすく、分散しやすく、低コストの商品が多いからです。
投資で大切なのは、最初から難しい商品を選ぶことではありません。
自分が理解できる商品を、無理なく長く続けることです。
複雑な商品を選ぶと、値下がりしたときに何が起きているのか分からず、不安になりやすくなります。
その点、インデックスファンドは投資対象や運用方針が比較的シンプルです。
まずは低コストで広く分散されたインデックスファンドから検討するとよいでしょう。
投資対象を確認する
投資信託を選ぶときは、何に投資している商品なのかを必ず確認しましょう。
日本株なのか、米国株なのか、全世界株式なのか、債券なのか、不動産関連なのか。
投資対象によって、リスクや値動きの特徴は大きく変わります。
商品名に「グローバル」や「成長」などの言葉が入っていても、それだけで中身は分かりません。
投資信託は名前ではなく中身で選ぶことが大切です。
商品ページや目論見書で、どの地域や資産に投資しているのかを確認しましょう。
信託報酬を確認する
信託報酬は、投資信託を保有している間にかかる費用です。
長期投資では、この費用の差が将来の成果に影響します。
同じような投資対象の商品が複数ある場合は、信託報酬を比較しましょう。
特にインデックスファンドでは、低コストかどうかが重要な判断材料になります。
ただし、信託報酬だけで決めるのもよくありません。
投資対象、純資産総額、運用方針、運用実績などもあわせて確認しましょう。
純資産総額を確認する
純資産総額とは、その投資信託に集まっている資産の規模を表すものです。
純資産総額が小さすぎる商品は、将来的に運用が続きにくくなる可能性があります。
もちろん、純資産総額が大きければ必ず良い商品というわけではありません。
それでも、安定して資金が集まっているかどうかは、商品を選ぶうえでひとつの参考になります。
純資産総額が極端に小さくないか、長期的に減り続けていないかを確認しておきましょう。
分配金の有無を確認する
資産形成を目的に投資信託を買うなら、分配金の有無も確認しましょう。
分配金が多い商品は一見魅力的に見えます。
しかし、分配金を出すことで、そのぶん投資信託の資産が減る場合があります。
長期で資産を育てたいなら、分配金を出さずに再投資するタイプが向いていることも多いです。
毎月お金が受け取れることよりも、資産全体が増えているかどうかを重視しましょう。
過去の成績だけで選ばない
投資信託を選ぶとき、過去のリターンは気になるものです。
しかし、過去の成績が良かったからといって、将来も同じように良い成績になるとは限りません。
最近よく上がっている商品に飛びつくと、高値づかみになることもあります。
過去の成績は参考情報であって、未来の保証ではありません。
投資対象、費用、リスク、運用方針を総合的に見て選ぶことが大切です。
投資信託の始め方
投資信託を始める流れは、それほど複雑ではありません。
ただし、いきなり商品を買うのではなく、順番を意識すると失敗しにくくなります。
ここでは、初心者向けに投資信託の始め方を紹介します。
生活防衛資金を確保する
投資信託を始める前に、まず生活防衛資金を確保しましょう。
生活防衛資金とは、急な出費や収入減に備えるためのお金です。
病気、転職、家電の故障、冠婚葬祭など、人生では突然お金が必要になる場面があります。
そのお金まで投資信託に回してしまうと、相場が下がったタイミングで売らざるを得なくなるかもしれません。
投資より先に、生活を守るお金を用意することが大切です。
投資は生活を苦しくするためのものではありません。
将来の選択肢を増やすためのものです。
まずは今の暮らしを守る土台を作りましょう。
証券口座を開設する
投資信託を購入するには、証券口座などが必要です。
銀行でも購入できる場合がありますが、商品数や手数料を比較すると、ネット証券が選ばれることも多いです。
口座を選ぶときは、取り扱い商品、手数料、画面の使いやすさ、積立設定のしやすさなどを確認しましょう。
低コストのインデックスファンドを選びやすい口座を選ぶと、初心者でも続けやすくなります。
口座開設そのものは無料でできる場合が多いですが、投資する商品は慎重に選びましょう。
毎月の投資金額を決める
口座を用意したら、毎月いくら投資するかを決めます。
最初から大きな金額を入れる必要はありません。
初心者は少額から始めて、値動きに慣れることを優先したほうが安心です。
投資信託は、続けられる金額で始めることが大切です。
最初だけ張り切って高額を積み立てても、生活が苦しくなってすぐにやめてしまっては意味がありません。
資産形成は短距離走ではなく、長い散歩のようなものです。
途中で息切れしないペースを選びましょう。
インデックスファンドを選ぶ
投資金額を決めたら、購入する投資信託を選びます。
初心者は、低コストで分散性の高いインデックスファンドを中心に検討するとよいでしょう。
全世界株式、米国株式、先進国株式、日本株式など、投資対象によって特徴が違います。
どれが正解というより、自分が納得して長く持てるものを選ぶことが大切です。
よく分からない商品には投資しないという姿勢も大切です。
投資の世界では、分からないものを避けるだけで防げる失敗がたくさんあります。
積立設定をして続ける
投資信託は、毎月自動で買い付ける積立設定ができます。
積立設定をしておけば、毎月自分で購入手続きをする必要がありません。
相場が上がった日も、下がった日も、決めたルールに沿ってコツコツ買い続けられます。
投資信託は、始めることより続けることのほうが大切です。
相場が下がったときも、慌ててやめるのではなく、最初に決めた目的を思い出しましょう。
長期投資では、感情に振り回されない仕組みを作ることが大きな助けになります。
投資信託で失敗しやすい人の特徴
投資信託は初心者でも始めやすい商品ですが、買い方や考え方を間違えると失敗することがあります。
ここでは、投資信託でつまずきやすい人の特徴を紹介します。
人気ランキングだけで選んでしまう
人気ランキングは参考になりますが、それだけで投資信託を選ぶのは危険です。
ランキング上位の商品が、自分に合っているとは限りません。
たまたま短期的に値上がりして人気になっているだけの場合もあります。
人気の商品より、自分の目的に合う商品を選ぶことが大切です。
投資信託を選ぶときは、ランキングを見る前に、自分が何のために投資するのかを決めておきましょう。
値下がりするとすぐに売ってしまう
投資信託は価格が上下します。
値下がりしたときに不安になるのは自然なことです。
しかし、長期投資のつもりで買ったのに、少し下がっただけですぐに売ってしまうと、資産形成が続きません。
値下がりそのものより、値下がりしたときに慌てて行動することが失敗につながりやすいです。
特にインデックス投資は、長期で市場全体の成長に期待する投資方法です。
短期の下落でやめてしまうと、本来の良さを活かしにくくなります。
手数料を見ずに買ってしまう
投資信託の費用は、目に見えにくいものもあります。
特に信託報酬は、保有中に少しずつ差し引かれるため、初心者には実感しにくい費用です。
しかし、長期で運用するほど費用の差はじわじわ効いてきます。
手数料は小さく見えても、長期では大きな差になることがあります。
投資信託を選ぶときは、リターンだけでなく費用も必ず確認しましょう。
短期間で大きく儲けようとする
投資信託は、短期間で大きく儲けるための商品ではありません。
もちろん、相場環境によっては短期間で大きく上がることもあります。
しかし、それを狙って売買を繰り返すと、かえって失敗しやすくなります。
一気に増やそうとするより、長く続けることを優先するほうが初心者には向いています。
投資で焦ると、判断が雑になります。
お金を増やそうとしているのに、焦りで判断力を減らしてしまってはもったいないです。
複雑な商品に手を出してしまう
投資信託の中には、仕組みが複雑な商品もあります。
テーマ型、毎月分配型、レバレッジ型など、初心者には理解しにくい商品もあります。
名前が魅力的に見えても、中身を理解できない商品には注意が必要です。
初心者は、まずシンプルなインデックスファンドから始めるほうが安心です。
投資は難しい商品を選んだ人が勝つものではありません。
理解できる商品を、無理なく続けられる人のほうが長続きしやすいです。
投資信託が向いている人
投資信託は、多くの人にとって資産形成に使いやすい商品です。
特にインデックスファンドを使った長期投資は、初心者にも取り入れやすい方法です。
長期で資産形成したい人
投資信託は、長期で資産形成したい人に向いています。
短期の値動きに一喜一憂するよりも、長い時間をかけて資産を育てたい人に合いやすいです。
特にインデックス投資は、市場全体の成長に長期で乗っていく考え方です。
将来のためにコツコツ準備したい人にとって、投資信託は使いやすい選択肢になります。
個別株を選ぶ自信がない人
個別株投資では、企業分析や銘柄選びが必要になります。
それが楽しい人もいますが、初心者にとっては負担に感じることもあります。
投資信託なら、1本で複数の銘柄に分散できるため、個別株を選ぶ負担を減らせます。
投資に時間をかけすぎたくない人にも向いています。
とくにインデックスファンドなら、個別企業を当てにいく必要が少なく、市場全体に広く投資しやすくなります。
少額から投資に慣れたい人
投資経験がない人にとって、最初から大きなお金を動かすのは不安です。
投資信託は少額から始めやすいため、投資に慣れる入口として使いやすい商品です。
最初は少額で始め、値動きや積立の感覚に慣れてから金額を見直す方法もあります。
小さく始めて、少しずつ学びたい人には投資信託が向いています。
忙しくても資産形成を続けたい人
仕事や家事で忙しいと、投資に多くの時間をかけるのは難しいものです。
毎日相場を見たり、個別企業を細かく分析したりするのは大変です。
投資信託、とくにインデックスファンドなら、比較的シンプルに長期投資を続けやすくなります。
忙しい人ほど、仕組み化しやすいインデックス投資と相性がよいでしょう。
投資信託が向いていない人
投資信託は便利な商品ですが、すべての人に向いているわけではありません。
始める前に、自分の状況と気持ちを確認しておきましょう。
元本割れにどうしても耐えられない人
投資信託は元本保証ではありません。
どれだけ分散されていても、値下がりすることはあります。
少しでも元本が減ることに強いストレスを感じる人は、投資信託を始める前に慎重に考えたほうがよいでしょう。
投資は、心が耐えられる範囲で行うことが大切です。
無理に投資を始めても、値下がりのたびに眠れなくなるなら、生活の質が下がってしまいます。
投資は我慢大会ではありません。
近いうちに使う予定のお金しかない人
数か月後や数年以内に使う予定のお金は、投資信託には向いていません。
相場が下がったタイミングで使う必要が出ると、損失を抱えたまま売却することになるかもしれません。
近いうちに必要なお金は、投資ではなく安全性を優先するほうが安心です。
投資信託は、長期で使わないお金で行うのが基本です。
商品内容を確認する気がない人
投資信託は、商品ごとに投資対象や費用、リスクが違います。
内容を確認せずに買うと、自分が思っていたものと違う商品を持ってしまうことがあります。
「すすめられたから」「ランキング上位だから」という理由だけで買うのは危険です。
最低限、自分が何に投資しているのかを知ることは必要です。
インデックスファンドであっても、投資対象や費用は商品によって違います。
買う前に必ず中身を確認しましょう。
初心者が意識したい考え方
投資信託で資産形成を続けるには、商品選びだけでなく考え方も大切です。
どれだけ良い商品を選んでも、途中で不安になってすぐ売ってしまえば、長期投資の良さを活かしにくくなります。
短期の値動きはあるものとして考える
投資信託は、毎日価格が動きます。
上がる日もあれば、下がる日もあります。
長期投資をするなら、短期の値動きはあるものとして考えることが大切です。
下がらない投資信託を探すより、下がっても続けられる金額にするほうが現実的です。
値動きが怖いなら、投資額を減らすのも立派な対策です。
無理に強い投資家を演じる必要はありません。
一括投資より積立投資から始める
投資信託の買い方には、一括投資と積立投資があります。
一括投資は、まとまった金額を一度に投資する方法です。
相場が上がり続ける局面では有利になることがありますが、購入直後に大きく下がると心理的な負担が大きくなります。
積立投資は、毎月一定額などを継続して投資する方法です。
初心者は、まず積立投資から始めると心理的な負担を抑えやすいでしょう。
投資タイミングを細かく読もうとしなくてよいので、続けやすくなります。
投資信託は放置ではなく見守る
投資信託は、頻繁に売買する必要はありません。
しかし、買ったまま完全に忘れてよいわけでもありません。
年に数回程度は、投資状況や資産配分を確認しましょう。
投資目的が変わっていないか、リスクを取りすぎていないか、費用が高すぎないかを見直すことが大切です。
投資信託は、放置ではなく見守る感覚で続けるとよいでしょう。
植物を育てるときも、毎分水をあげる必要はありません。
でも、何年も水をあげずに放っておけば元気がなくなります。
投資信託も、ほどよい距離感で見守ることが大切です。
人と比べすぎない
投資を始めると、他の人の運用成績が気になることがあります。
SNSなどで大きな利益を出している人を見ると、自分の投資が地味に感じるかもしれません。
しかし、資産額、年齢、収入、家族構成、リスク許容度は人によって違います。
投資信託は、人と競うものではなく、自分の将来のために続けるものです。
誰かの派手な成果に焦って、自分に合わない商品を買う必要はありません。
自分のペースで続けることが、長期投資ではとても大切です。
投資信託に関するよくある疑問
ここでは、投資信託を始める前に多くの人が疑問に感じやすいポイントをまとめます。
投資信託はいくらから始めればいい?
投資信託を始める金額に、万人共通の正解はありません。
大切なのは、生活に無理のない金額で始めることです。
家計が苦しくなるほどの金額を投資に回す必要はありません。
最初は少額から始めて、慣れてきたら少しずつ増やす方法でも十分です。
投資金額よりも、長く続けられることのほうが大切です。
投資信託は初心者でもできる?
投資信託は、初心者でも始めやすい金融商品です。
ただし、何も知らなくても大丈夫という意味ではありません。
基本的な仕組み、リスク、費用、選び方は理解しておきましょう。
最初からすべてを完璧に理解する必要はありません。
投資を続けながら、少しずつ学んでいけば大丈夫です。
投資信託は、学びながら育てていける商品です。
投資信託は何本持てばいい?
投資信託は、たくさん持てばよいわけではありません。
むしろ、似たような商品を何本も持つと、管理がむずかしくなることがあります。
初心者は、まず中身が分かりやすい商品を少数に絞るほうが管理しやすいです。
本数を増やすより、投資先がきちんと分散されているかを確認しましょう。
たとえば、全世界株式のインデックスファンドを持っているのに、似たような世界株式の商品を何本も追加しても、分散効果はあまり高まらない場合があります。
全世界株式と米国株式はどちらがいい?
全世界株式と米国株式は、どちらも人気のある投資対象です。
全世界株式は、世界中の企業に広く分散しやすいのが特徴です。
米国株式は、米国企業の成長に期待する投資です。
どちらが絶対に正解というものではありません。
迷う場合は、より広く分散できる全世界株式を中心に考えると、初心者には分かりやすいでしょう。
ただし、米国経済の成長に強く期待しているなら、米国株式を選ぶ考え方もあります。
大切なのは、自分が納得して長く持てるかどうかです。
投資信託はいつ売ればいい?
投資信託を売るタイミングは、目的によって変わります。
老後資金として運用しているなら、必要になった時期に少しずつ取り崩す方法があります。
教育費や住宅資金など目的がある場合は、使う時期が近づいたらリスクを下げることも考えましょう。
相場が少し下がったからすぐ売る、少し上がったからすぐ売るという判断は、長期投資ではあまり向いていません。
売るタイミングは、相場よりも自分の目的を基準に考えることが大切です。
投資信託だけで資産形成はできる?
投資信託は資産形成に役立つ商品ですが、それだけですべてが解決するわけではありません。
家計管理、収入、支出、貯金、保険、税金など、お金の土台全体を整えることも大切です。
投資信託は、資産形成の中のひとつの道具です。
投資だけでなく、家計全体を見直すことで資産形成は進みやすくなります。
支出が多すぎる状態で投資だけ頑張っても、なかなかお金は残りません。
まずは家計の土台を整え、そのうえで投資信託を活用しましょう。
まとめ:投資信託とは将来のお金を育てる道具
投資信託とは、たくさんの投資家から集めたお金をまとめて、株式や債券などに分散して投資する金融商品です。
少額から始めやすく、分散投資もしやすいため、初心者の資産形成にも使いやすい特徴があります。
中でも、初心者が最初に考えたいのは、低コストで分散性の高いインデックスファンドです。
インデックス投資は、難しい銘柄選びをしすぎず、市場全体に広く投資しながら長期で資産形成を目指す方法です。
もちろん、インデックスファンドでも元本保証ではありません。
相場が下がれば、投資信託の価格も下がります。
だからこそ、生活費や近いうちに使うお金ではなく、長期で使わない余裕資金で行うことが大切です。
投資信託を始めるなら、まずは仕組みを理解し、自分に合った商品を選び、無理のない金額で長く続けましょう。
投資信託は、一夜で人生を変える魔法の杖ではありません。
けれど、時間を味方につけてコツコツ続ければ、将来の選択肢を増やす心強い道具になります。
大切なのは、焦らないことです。
人と比べすぎないことです。
そして、分からないまま勢いで買わないことです。
投資信託とは、未来のお金を少しずつ育てるためのやさしい入口です。
まずは低コストで分かりやすいインデックスファンドを中心に、無理のない一歩から始めてみましょう。
