給料が入っても、家賃や生活費に加えて奨学金の返済があると、「毎月なかなかお金が残らない」と感じることがあります。
返済期間が長い場合は、まだ何年も続くのかと思うだけで気が重くなることもあるでしょう。
奨学金の返済がきついときは、食費や趣味を極端に削る前に、現在の返還状況と利用できる制度を確認することが大切です。
返済が苦しいときは、無理に耐えるのではなく「家計を整える」「返還方法を確認する」「必要なら救済制度を使う」の順番で考えましょう。
この記事では、奨学金の返済がきつくなる原因から、毎月の負担を軽くする方法、減額返還や返還期限猶予、繰上返還の考え方まで詳しく紹介します。
奨学金の返済がきついときに確認すること
返済が苦しいと感じたら、いきなり節約を始めるのではなく、まず現在の状況を数字で確認しましょう。
「毎月なんとなく苦しい」という状態と、「収入に対して明らかに返済負担が大きい」という状態では、必要な対策が違います。
毎月の返還額を確認する
まず確認したいのが、毎月いくら返還しているのかです。
長く自動引き落としにしていると、奨学金の返還額を家賃やスマホ代と同じ感覚で見なくなっていることがあります。
通帳、口座履歴、スカラネット・パーソナルなどを確認し、現在の返還額を把握しましょう。
残りの返還額を確認する
毎月の金額だけでなく、あといくら残っているのかも確認します。
例えば、残り30万円と残り200万円では、今後の家計計画も変わります。
ゴールが見えないまま返していると、「いつまで続くんだろう」と心理的な負担も大きくなります。
残額が分かれば、
- 今のペースで返す
- 余裕ができたら繰上返還する
- 返還負担を軽くする制度を検討する
といった判断がしやすくなります。
第一種・第二種を確認する
借りている奨学金の種類も確認しましょう。
日本学生支援機構の貸与奨学金には第一種奨学金と第二種奨学金があり、利息の扱いや返還条件などに違いがあります。
「奨学金だから全部同じ」と考えず、自分がどの制度を利用しているか確認してください。
奨学金以外の支出も確認する
毎月の家計が苦しい原因が、奨学金だけとは限りません。
例えば奨学金を月15,000円返していても、同時に次の支出が膨らんでいる場合があります。
- 家賃
- スマホ・通信費
- サブスク
- 外食
- コンビニ
- 趣味
- クレジットカード
奨学金は将来なくなる支出ですが、生活習慣による支出は放置するとずっと続きます。
家計全体を確認したい場合は、家計リセットのやり方7選!赤字家計を無理なく立て直す方法も参考にしてください。
奨学金の返済がきつくなる原因
同じ返還額でも、「問題なく払える時期」と「かなり苦しく感じる時期」があります。
原因を整理すると、自分がどこを改善すべきか見えやすくなります。
手取りに対して固定費が高い
毎月の給料が入った時点で、家賃、スマホ代、保険料、サブスクなどが大きく引かれると、奨学金を返したあとの自由なお金が少なくなります。
奨学金だけを減らそうとする前に、固定費全体を確認してみましょう。
例えばスマホプランや使っていないサブスクなら、引っ越しよりも簡単に変更できます。
固定費の見直しはどこから?家計をラクにする7つの節約ポイントも参考になります。
給料が増えていない
社会人になった直後は、「数年働けば給料も上がって返済がラクになるだろう」と考えていたかもしれません。
しかし、思ったほど昇給しなかったり、転職で収入が下がったりすることもあります。
毎月の返還額が同じでも、収入が低ければ負担感は大きくなります。
一人暮らしの生活費が重い
実家を出ると、家賃だけでなく水道光熱費や日用品費なども自分で負担することになります。
学生時代より収入は増えたのに、思ったほどお金が残らない原因の一つです。
特に家賃の負担が大きいと、食費を少し節約した程度では家計が大きく改善しない場合があります。
クレジットカードの支払いも重なっている
奨学金の返還自体は予定通りでも、カード請求が多い月に一気に苦しくなることがあります。
ネット通販、旅行、飲み会、趣味などをカード払いにしていると、奨学金の引き落としと同じ時期にまとまった支払いが発生します。
カードの利用額を毎月確認し、奨学金返還後に無理なく払える範囲へ収めましょう。
急な出費で家計が崩れている
家電の故障、病院代、引っ越しなどが重なると、普段なら払える奨学金も重く感じます。
毎月ではない支出が原因なら、生活費そのものを削り続けるより、予備費を作るほうが再発防止につながります。
返済を急ぎすぎている
奨学金を早くなくしたい気持ちから、必要以上に繰上返還している場合もあります。
返済自体は進みますが、その結果として貯金がほとんどなくなれば、急な支出へ対応できません。
奨学金の残高が減っても、生活が常にギリギリでは安心とは言いにくいでしょう。
奨学金の返済をラクにする7つの対策
奨学金返済がきついときは、「とにかく節約」ではなく、効果が大きいところから順番に見直しましょう。
1.家計の固定費を一つ減らす
毎月の返還額を変えられなくても、それ以外の固定費を下げれば返済余力を作れます。
例えば、月5,000円の固定費を減らせれば、毎月の家計には5,000円の余裕が生まれます。
一年なら60,000円です。
見直し候補には、次のようなものがあります。
- 使っていないサブスク
- スマホ料金プラン
- インターネット契約
- 不要な保険
- 利用頻度の低い有料サービス
一度変更すれば、その後も節約効果が続きやすいのが固定費のメリットです。
2.返済日を給料日に合わせて管理する
返済日そのものを自由に変更できるとは限りませんが、給料が入った時点で奨学金分を別に確保する方法があります。
例えば、給料日に返還額を残し、最初から「使えないお金」として扱います。
月末に残ったお金から返そうとすると、先に買い物や外食で使ってしまう可能性があります。
給料日の家計管理については、給料日にやること7つ|お金が残る家計管理ルーティンも参考にしてください。
3.返済専用の口座を作る
給料口座、生活費、奨学金返済がすべて同じ口座に入っていると、「いくらまで使っていいのか」が分かりにくくなることがあります。
必要なら、奨学金返還用の資金を別に管理してもよいでしょう。
ただし、口座を増やしすぎると逆に面倒になります。
現在のお金の管理方法に合わせて、必要な場合だけ分けてください。
4.ボーナスで無理に完済を狙わない
ボーナスが入ると、「一気に奨学金を返してしまおう」と考えることがあります。
もちろん余裕資金なら、繰上返還を検討できます。
しかし、貯金がほとんどない状態で全額を返済へ回すのは慎重に考えたいところです。
例えばボーナスが30万円入ったとしても、
- 生活防衛資金へ回す
- 大きな支出へ備える
- 一部だけ繰上返還する
- 自分の楽しみに少し使う
という分け方もできます。
奨学金を早く返すことだけが、お金の使い方の正解ではありません。
5.収入を増やす方法も考える
支出を見直しても毎月ほとんど余裕がない場合は、収入面も考える必要があります。
例えば、本業の昇給だけでなく、転職や副業なども選択肢です。
ただし、奨学金返済のために本業へ支障が出るほど副業する必要はありません。
月数千円でも増えれば、その分を返済や貯金へ回せます。
副業を検討する場合は、副業で月1万円を稼ぐ!初心者におすすめな方法18選も参考になります。
6.勤務先の奨学金返還支援を確認する
勤務先によっては、従業員の奨学金返還を支援する制度を導入している場合があります。
日本学生支援機構には、企業などが従業員に代わって奨学金を返還する「奨学金返還支援(代理返還)」の仕組みがあります。
自分の勤務先が対象か分からない場合は、社内の福利厚生制度や人事担当部署を確認してみましょう。
転職を考えているなら、給与だけでなく福利厚生の一つとして返還支援制度を見る方法もあります。
7.返還が難しいなら早めに制度を使う
家計を見直しても返済が難しい場合は、「払えないけれど何とかする」と放置しないことが重要です。
日本学生支援機構には、経済的な事情などで返還が難しくなった人向けの制度があります。
代表的なのが、
- 減額返還制度
- 返還期限猶予制度
です。
利用には要件や審査があるため、苦しくなった段階で早めに公式情報を確認しましょう。
返済が苦しいなら救済制度を確認しよう
日本学生支援機構では、奨学金の返還が難しくなった場合の制度を用意しています。
「払えないから放置する」のではなく、利用できる制度がないか確認することが大切です。
減額返還制度
減額返還制度は、通常の返還額では支払いが難しいものの、毎月の金額を下げれば返還できる場合に利用を検討できる制度です。
毎月の返還額を減らし、その分返還期間を延ばして返していきます。
返還予定の総額そのものを減らす制度ではありません。
経済的な事情や傷病など一定の要件があり、願い出と審査が必要です。
日本学生支援機構「月々の返還額を少なくする(減額返還制度)」
返還期限猶予制度
返還期限猶予は、一定期間、返還期限を先送りする制度です。
失業、経済的な事情、傷病などで返還そのものが難しい場合に検討できます。
「今月は生活費だけで精いっぱい」という状態なら、無理に別の借入れをして奨学金を返す前に制度を確認してください。
こちらも自動的に適用されるわけではなく、願い出と審査があります。
減額返還と猶予は目的が違う
どちらも返還が難しいときの制度ですが、役割は異なります。
イメージとしては、
- 金額を下げれば返せる → 減額返還
- 今は返還そのものが難しい → 返還期限猶予
という違いがあります。
ただし、実際にどちらを利用できるかは要件や審査によって決まります。
自己判断だけで決めず、日本学生支援機構の最新案内を確認してください。
滞納する前に相談する
「来月なら何とかなる」と先延ばしにしているうちに、支払いが続けて難しくなることがあります。
返還が厳しいと分かった段階で、早めに相談するほうが制度を検討しやすくなります。
返済が苦しいことは、制度へ相談してはいけない理由にはなりません。
奨学金は繰上返還したほうがいい?
奨学金の返済が嫌になると、「とにかく一日でも早くなくしたい」と思うことがあります。
しかし、繰上返還がいつでも最優先とは限りません。
余裕資金なら繰上返還を考える
生活費や急な出費へ備える貯金が十分あり、そのうえで使う予定のないお金があるなら繰上返還を検討できます。
奨学金残高が減ることで、心理的にラクになる人もいるでしょう。
第二種奨学金など利息がある場合は、返還方法によって将来の負担へ影響する可能性があります。
繰上返還を検討する場合は、日本学生支援機構で現在の返還残額や手続きを確認してください。
貯金ゼロになるなら急がない
避けたいのは、奨学金を完済するために貯金をほぼ使い切ることです。
返済した翌月に、
- 病院へ行く
- スマホが壊れる
- 冷蔵庫が故障する
- 急な引っ越しが必要になる
といったことが起きるかもしれません。
そこでカードローンやリボ払いへ頼ることになれば、奨学金を急いで返した意味が薄くなります。
まず生活防衛資金を確保する
返済を早める前に、急な収入減や支出へ対応できるお金を確保しておくと安心です。
どの程度必要かは、家賃や毎月の生活費、雇用状況などによって変わります。
詳しくは、生活防衛資金はいくら必要?世帯別の目安と無理なく貯める方法も参考にしてください。
利息だけで判断しない
利息がある奨学金なら、早く返せば負担を抑えられる可能性があります。
しかし、お金は利息だけで決めるものではありません。
手元資金、今後の引っ越し、車、資格取得、転職など、近い将来に必要になるお金も考えてください。
「返済を早く終える安心」と「現金を持っている安心」のバランスを取ることが大切です。
奨学金返済と貯金を両立するコツ
奨学金を返している間でも、少額から貯金を作ることは大切です。
返済が終わるまで一円も貯めない方法では、急な出費があるたびに家計が崩れてしまいます。
少額でも先に貯金する
毎月30,000円、50,000円と無理に貯める必要はありません。
まずは、自分が確実に続けられる金額から始めます。
例えば月5,000円でも、一年間なら60,000円です。
少額の貯金があるだけでも、急な出費への対応力は変わります。
返済と貯金を別の目的にする
奨学金返済と貯金は、どちらも「残高を良くする行動」ですが役割が違います。
- 奨学金返済 → 過去に借りたお金を減らす
- 貯金 → これから必要になるお金へ備える
どちらか一方だけに偏らないようにしましょう。
臨時収入は分けて使う
ボーナスや臨時収入が入ったときは、全部を一つの目的へ使わなくても構いません。
例えば、返済・貯金・自由費へ分ける方法があります。
奨学金返済のためだけに働いている感覚になると、長い返還期間がつらくなります。
予算内なら、自分の楽しみに使うお金も残して構いません。
完済後の使い道も決めておく
奨学金を完済すると、毎月それまで返還していた金額が浮きます。
そのまま生活費へ混ぜると、いつの間にか使ってしまうことがあります。
完済後は、それまでの返還額をそのまま先取り貯金へ移す方法があります。
例えば毎月15,000円返していたなら、完済後は15,000円を自動で貯金へ回します。
生活水準を変えずに貯金ペースを上げやすくなります。
よくある質問
奨学金の返済がきついときはどうする?
まず毎月の返還額、残りの返還額、家計全体の支出を確認しましょう。
固定費を見直しても返還が難しい場合は、日本学生支援機構の減額返還制度や返還期限猶予制度を確認してください。
奨学金は払えないとどうなる?
返還が難しくなった場合は、放置せず日本学生支援機構へ早めに相談することが重要です。
事情によって利用を検討できる救済制度があります。
滞納してから考えるのではなく、支払いが難しいと分かった段階で相談しましょう。
奨学金の返済額を減らせる?
一定の要件を満たす場合、減額返還制度を利用できる可能性があります。
通常の返還額を減らし、その分返還期間を延ばして返していく制度です。
利用条件や手続きは変更される可能性があるため、日本学生支援機構の最新情報を確認してください。
奨学金の返済を一時的に止められる?
経済困難や傷病など一定の事情がある場合、返還期限猶予制度を利用できる可能性があります。
自動的に止まるわけではなく、願い出と審査が必要です。
奨学金は早く返したほうがいい?
余裕資金が十分あるなら繰上返還を検討できます。
ただし、貯金をほぼゼロにしてまで急いで返済する必要があるとは限りません。
生活防衛資金や近い将来の支出も考えて判断しましょう。
ボーナスは奨学金返済へ使うべき?
全額を返済へ回す必要はありません。
生活防衛資金が少ないなら貯金を優先し、余った部分だけ繰上返還へ回す考え方もあります。
奨学金返済中でも貯金したほうがいい?
急な出費へ備えるため、無理のない範囲で貯金も作るのがおすすめです。
少額でも手元資金があれば、家電故障や病院代などで別の借入れへ頼りにくくなります。
会社が奨学金を返してくれる制度はある?
勤務先によっては、奨学金返還支援制度を導入している場合があります。
日本学生支援機構のWebサイトでは、返還支援制度を導入している企業を検索できます。
勤務先の人事制度や福利厚生も確認してみましょう。
転職すると奨学金返済はラクになる?
必ずラクになるとは限りませんが、収入アップや奨学金返還支援制度のある会社へ転職できれば負担が軽くなる可能性があります。
ただし、奨学金だけを理由に転職先を決めず、仕事内容、給与、休日、将来性なども含めて比較しましょう。
返済が終わったら何をする?
それまで毎月返していた金額を、そのまま貯金へ回す方法がおすすめです。
返済中の生活費で暮らせていたなら、完済後に生活水準を上げなくても貯金を増やせます。
まとめ:奨学金返済は無理せず続けよう
奨学金の返済がきついときは、まず毎月の返還額と残りの返還額を確認しましょう。
そのうえで、固定費の見直しや家計管理によって毎月の余裕を作ります。
ボーナスや貯金をすべて返済へ使い、手元のお金をなくす必要はありません。
また、収入減や失業などで返還そのものが難しくなった場合は、減額返還制度や返還期限猶予制度を利用できる可能性があります。
奨学金は、生活を壊してまで予定通り返すのではなく、必要なら制度を使いながら無理のない形で返還を続けることが大切です。
まずはスカラネット・パーソナルなどで、現在の返還額と残額を確認するところから始めてみてください。
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