「NISAってよく聞くけれど、結局なにがそんなにお得なの?」
「投資を始めた方がいい気はするけれど、損をするのは怖い……」
「新NISAになってから、制度が変わったらしいけれど、正直まだよくわからない」
このように感じている方は、とても多いと思います。
NISAは、ひと言でいうと投資で得た利益に税金がかからなくなる制度です。
通常、投資信託や株式などで利益が出ると、利益に対して約20%の税金がかかります。しかしNISA口座を使って投資をすると、一定のルールの範囲内で、その利益が非課税になります。
たとえば、投資で100万円の利益が出た場合、通常なら約20万円ほど税金が差し引かれます。しかしNISA口座なら、その税金がかからず、利益をまるごと受け取ることができます。
とはいえ、NISAは「絶対に儲かる制度」ではありません。あくまで投資で利益が出たときに税金面で有利になる制度です。
投資である以上、元本割れする可能性もありますし、短期間で大きく増える魔法の箱でもありません。
この記事では、NISAの基本から、メリット・デメリット、つみたて投資枠と成長投資枠の違い、初心者に向いている使い方、始める前の注意点まで、できるだけやさしく解説していきます。
「難しい言葉が多くてNISAを避けていた」という方でも、読み終わるころには、NISAの全体像がかなりスッキリするはずです。
- NISAとは?まずは基本をやさしく解説
- 新NISAの仕組みとは?2024年から大きく使いやすくなった
- NISAのメリット
- NISAのデメリットと注意点
- NISAはどんな人におすすめ?
- NISAを始める前に準備しておきたいこと
- NISAで何を買う?初心者に向いている商品の考え方
- NISAの始め方を5ステップで解説
- NISAで失敗しやすい人の特徴
- NISAとiDeCoの違い
- NISAと特定口座の違い
- NISAでよくある誤解
- 年代別のNISA活用法
- NISAでおすすめしない使い方
- NISAを続けるコツ
- NISAに関するよくある質問
- NISAを始めるなら意識したい3つの考え方
- NISA口座でおすすめの証券会社 TOP5
- わかりやすい!NISAのお役立ち情報サイト
- まとめ:NISAは焦らず、無理なく、長く付き合う制度
NISAとは?まずは基本をやさしく解説
NISAとは、少額投資非課税制度のことです。正式名称を聞くと少し固く感じますが、ざっくり言えば投資で得た利益に税金がかからない制度です。
通常、株式や投資信託などを売却して利益が出た場合、その利益には税金がかかります。また、株式の配当金や投資信託の分配金にも税金がかかるのが基本です。
しかし、NISA口座で購入した金融商品については、一定の条件を満たすことで、売却益や配当金・分配金が非課税になります。
たとえば、通常の特定口座で投資をして30万円の利益が出た場合、約20%の税金がかかるため、手元に残る利益はおおよそ24万円ほどになります。
一方、NISA口座で30万円の利益が出た場合は、その30万円をそのまま受け取ることができます。
投資の利益が大きくなるほど、この非課税の効果は大きくなります。
長期投資では、数年単位ではなく、10年、20年、30年という時間を味方につけることが多いため、税金がかからないメリットはじわじわ効いてきます。
NISAは国が用意した資産形成の制度
NISAは、国が個人の資産形成を後押しするために用意した制度です。
昔は、銀行預金だけでもある程度の利息がつく時代がありました。しかし現在は、預金だけでお金を大きく増やすのはなかなか難しい状況です。その一方で、物価は少しずつ上がっています。
たとえば、同じ1万円でも、10年後、20年後に買えるものが今と同じとは限りません。お金をただ置いておくだけでは、数字上は減っていなくても、実質的な価値が目減りしてしまう可能性があります。
そこで、長期的な資産形成の手段として、株式や投資信託などへの投資が注目されています。その投資を税制面から応援してくれるのがNISAです。
もちろん、投資にはリスクがあります。だからこそ、NISAは「短期間で一発逆転を狙う制度」というより、長く、無理なく、コツコツ資産を育てていくための制度と考えるのが自然です。
NISAで非課税になるもの
NISAで非課税になる主なものは、次の2つです。
1つ目は、売却益です。
投資信託や株式を買った価格より高く売れた場合、その差額が利益になります。通常はこの利益に税金がかかりますが、NISA口座で保有していた商品であれば非課税になります。
2つ目は、配当金や分配金です。
株式の配当金や投資信託の分配金も、条件を満たせば非課税になります。ただし、上場株式等の配当金をNISAで非課税にするには、証券会社で受け取る方式など、一定の受け取り方法を選ぶ必要があります。
ここは少し細かい部分ですが、意外と大事です。せっかくNISA口座で株式を買っていても、配当金の受け取り方法によっては非課税にならないケースがあります。NISAで株式投資をする場合は、証券会社の設定画面で配当金の受け取り方法を確認しておきましょう。
新NISAの仕組みとは?2024年から大きく使いやすくなった
2024年から、NISAは大きく変わりました。以前のNISAと比べて、かなり使いやすくなっています。
大きなポイントは、非課税期間が無期限になったこと、制度が恒久化されたこと、年間投資枠が拡大されたこと、そして非課税保有限度額が最大1,800万円になったことです。
以前のNISAでは、一般NISAは非課税期間が5年、つみたてNISAは20年と決まっていました。期限があるため、「いつ売ればいいの?」「非課税期間が終わったらどうなるの?」と悩む人も多かったのです。
しかし現在のNISAでは、非課税保有期間が無期限になりました。これにより、長期投資との相性がかなり良くなっています。
つみたて投資枠と成長投資枠の2つがある
現在のNISAには、つみたて投資枠と成長投資枠の2つがあります。
つみたて投資枠は、長期・積立・分散投資に向いた投資信託を中心に購入できる枠です。初心者がまず使いやすいのは、こちらの枠です。
一方、成長投資枠では、投資信託だけでなく、上場株式やETFなど、より幅広い商品に投資できます。個別株に投資したい人や、まとまった資金を使って投資したい人に向いています。
この2つの枠は併用できます。つまり、毎月コツコツつみたて投資枠で投資信託を積み立てながら、余裕資金があるときに成長投資枠で追加投資する、といった使い方もできます。
年間投資枠は最大360万円
NISAでは、年間で投資できる金額に上限があります。
つみたて投資枠は年間120万円まで、成長投資枠は年間240万円までです。2つを合わせると、年間最大360万円まで投資できます。
月額にすると、つみたて投資枠だけなら月10万円まで積み立てられます。年間360万円を使い切るには、月30万円相当の投資が必要になるため、すべての人が無理に満額を使う必要はありません。
ここはとても大事です。NISAは枠が大きいからといって、無理に埋めるものではありません。大事なのは、自分の生活に合った金額で続けることです。
非課税保有限度額は最大1,800万円
NISAでは、生涯を通じて使える非課税保有限度額が最大1,800万円とされています。
これは、投資した元本ベースで管理されます。たとえば、NISA口座で100万円分の投資信託を購入した場合、評価額が120万円になっても80万円になっても、使った枠は100万円です。
なお、成長投資枠だけで使える上限は1,200万円です。つみたて投資枠だけで1,800万円を使うことはできますが、成長投資枠だけで1,800万円を使うことはできません。
初心者の場合は、まずつみたて投資枠を中心に使い、必要に応じて成長投資枠を活用する形がわかりやすいでしょう。
売却すると翌年以降に枠が復活する
現在のNISAでは、保有している商品を売却すると、その商品の取得金額、つまり簿価の分だけ、翌年以降に非課税保有限度額が復活します。
たとえば、NISA口座で100万円分の投資信託を購入し、その後150万円に値上がりして売却したとします。この場合、翌年以降に復活する枠は売却額の150万円ではなく、購入時の100万円です。
逆に、100万円で買った商品を80万円で売却した場合も、復活する枠は80万円ではなく100万円です。
この仕組みがあることで、以前よりもNISAは柔軟に使いやすくなりました。ただし、売却したその年にすぐ枠が復活するわけではありません。再利用できるのは翌年以降です。
NISAのメリット
NISAには多くのメリットがあります。ただし、メリットだけを見ると「すぐ始めなきゃ損!」と焦ってしまうかもしれません。ここでは、落ち着いてメリットを整理していきましょう。
投資の利益が非課税になる
NISA最大のメリットは、やはり投資の利益が非課税になることです。
通常、投資で利益が出ると、その利益に対して税金がかかります。利益が10万円なら約2万円、100万円なら約20万円、500万円なら約100万円が税金として差し引かれるイメージです。
もちろん、細かな税率や状況によって差はありますが、「利益の約2割が税金で引かれる」という感覚を持っておくとわかりやすいでしょう。
NISAでは、この税金がかかりません。長期投資で利益が大きくなった場合、この差はかなり大きくなります。
たとえば、20年、30年と積み立てて資産が増えたとき、利益部分が数百万円になることもあります。そのときに税金がかかるか、かからないかは、将来の手取り額に大きく影響します。
非課税期間が無期限なので長期投資に向いている
現在のNISAは、非課税保有期間が無期限です。
これにより、「非課税期間が終わるから売らなければならない」といった悩みが少なくなりました。長期的に保有したい商品を、じっくり育てやすい制度になっています。
長期投資では、短期的な値動きに一喜一憂しすぎないことが大切です。株式市場は、良い年もあれば悪い年もあります。数か月単位では大きく下がることもありますが、長い目で見ることで、リスクをならしやすくなります。
NISAの非課税期間が無期限になったことで、焦って売買する必要が減りました。これは、投資初心者にとっても大きな安心材料です。
少額から始められる
NISAというと、「お金に余裕がある人だけの制度」と思われがちですが、実際には少額から始めることもできます。
証券会社によっては、毎月100円や1,000円といった少額から投資信託を積み立てられる場合もあります。
もちろん、月100円だけで老後資金を大きく作るのは難しいですが、「投資に慣れる」という意味では十分価値があります。
最初から大きな金額を入れると、少し値下がりしただけで不安になりやすいものです。投資に慣れていない人ほど、まずは少額で始めて、値動きに慣れていくのがおすすめです。
投資は、最初の一歩がいちばん緊張します。プールに入るとき、いきなり飛び込むより、足先からそっと入った方が安心ですよね。NISAも同じで、最初は小さく始めて大丈夫です。
積立投資との相性が良い
NISAは、積立投資との相性がとても良い制度です。
積立投資とは、毎月決まった金額で投資信託などを購入していく方法です。価格が高いときには少なく、価格が安いときには多く買うことになり、購入タイミングを分散できます。
投資初心者にとって、「いつ買えばいいのか」は大きな悩みです。相場が上がっていると「今から買って大丈夫?」と思いますし、下がっていると「もっと下がるのでは?」と不安になります。
積立投資なら、タイミングを完璧に当てる必要がありません。毎月コツコツ買い続けることで、買うタイミングを分散できます。
NISAのつみたて投資枠は、まさにこのような長期積立に向いています。
確定申告が原則不要で使いやすい
NISA口座で得た利益は非課税なので、原則として確定申告は不要です。
投資と聞くと、「税金の手続きが難しそう」と感じる方も多いでしょう。実際、特定口座や一般口座で投資をしていると、確定申告が関係してくることがあります。
その点、NISAは税金の仕組みが比較的シンプルです。非課税になる利益については、基本的に申告する必要がありません。
ただし、NISA以外の口座で投資している場合や、外国税額控除、配当控除などが関係する場合は別です。NISAだけで完結している場合はシンプルですが、他の投資口座も使っている場合は、自分の状況に合わせて確認しましょう。
NISAのデメリットと注意点
NISAはとても便利な制度ですが、良いところばかりではありません。ここをきちんと理解しておかないと、「こんなはずじゃなかった」と感じることもあります。
投資の世界では、メリットよりもデメリットを先に知っておくくらいがちょうど良いです。甘い話だけを聞いて飛びつくと、だいたい財布が軽くなります。
元本保証ではない
NISAで最も大切な注意点は、元本保証ではないということです。
NISAは、投資の利益が非課税になる制度であって、損をしない制度ではありません。
NISA口座で投資信託や株式を購入しても、相場が下がれば評価額は下がります。100万円投資したものが、80万円になる可能性もあります。
特に短期間では、投資商品の価格は大きく上下することがあります。ニュースや景気、金利、為替、企業業績など、さまざまな要因で値動きします。
そのため、生活費や近いうちに使う予定のお金をNISAに入れるのはおすすめできません。投資に回すのは、あくまで当面使う予定のない余裕資金にしましょう。
NISA口座の損失は損益通算できない
NISA口座で損失が出た場合、その損失は税務上「なかったもの」として扱われます。
これは、NISAの大きな注意点です。
通常の特定口座であれば、株式や投資信託で損失が出た場合、他の利益と損益通算できることがあります。また、条件を満たせば損失を翌年以降に繰り越せる場合もあります。
しかし、NISA口座で出た損失は、特定口座や一般口座の利益と相殺できません。繰越控除もできません。
つまり、NISAは利益が出たときには非常に有利ですが、損失が出たときには税制上の救済が使えないという特徴があります。
このため、NISAでは短期売買や値動きの激しい商品に集中投資するよりも、長期的に成長が期待できる商品へ分散投資する方が向いています。
一度使った年間投資枠はその年には復活しない
NISAでは、商品を売却すると非課税保有限度額は翌年以降に復活します。
しかし、年間投資枠はその年のうちには復活しません。
たとえば、ある年にNISAで100万円分の商品を購入し、同じ年に売却したとしても、その100万円分の年間投資枠がすぐ戻るわけではありません。
短期間で何度も売買するような使い方をすると、年間投資枠をすぐに使い切ってしまう可能性があります。
NISAは、デイトレードのように頻繁に売買するよりも、長期保有を前提に使う方が制度の良さを活かしやすいです。
購入できる商品には制限がある
NISAでは、どんな金融商品でも購入できるわけではありません。
つみたて投資枠では、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託が対象です。成長投資枠では、上場株式や投資信託など幅広い商品に投資できますが、すべての商品が対象というわけではありません。
たとえば、毎月分配型の投資信託や、信託期間が短い投資信託、デリバティブ取引を用いた一部の商品などは対象外になる場合があります。
これは、NISAが長期的な資産形成を目的とした制度だからです。短期的な投機性が高い商品よりも、長く保有しやすい商品を選びやすい仕組みになっています。
金融機関によって買える商品が違う
NISA口座は、銀行や証券会社などで開設できます。
ただし、金融機関によって取り扱っている商品は異なります。銀行では投資信託中心、ネット証券では投資信託に加えて国内株式や米国株、ETFなど幅広い商品を扱っていることが多いです。
「とりあえず近くの銀行でNISA口座を作ったけれど、買いたい投資信託がなかった」というケースもあります。
NISA口座は1人1口座が基本です。あとから金融機関を変更することはできますが、手続きのタイミングや条件があります。
そのため、NISA口座を開設する前に、手数料、取扱商品、積立設定のしやすさ、画面の見やすさなどを確認しておくと安心です。
NISAはどんな人におすすめ?
NISAは多くの人にとって有力な資産形成の選択肢になりますが、すべての人が同じ使い方をすればよいわけではありません。
ここでは、NISAが特に向いている人の特徴を紹介します。
長期でコツコツ資産形成したい人
NISAは、短期間で一気に儲けたい人よりも、長期でコツコツ資産を育てたい人に向いています。
投資信託を毎月積み立て、10年、20年、30年と続けていくことで、時間を味方につけることができます。
長期投資では、途中で相場が下がることもあります。むしろ、下がる時期が一度もない投資人生の方が珍しいでしょう。
しかし、毎月同じ金額を積み立てていれば、価格が下がったときには多くの口数を買うことができます。将来価格が回復したときに、その効果が表れやすくなります。
もちろん、必ず利益が出るわけではありません。それでも、長期・積立・分散を意識することで、短期的な値動きに振り回されにくくなります。
銀行預金だけでは不安を感じている人
銀行預金は安全性が高く、生活防衛資金の置き場所として非常に大切です。
しかし、すべてのお金を預金だけに置いておくと、物価上昇に対して弱くなる可能性があります。
たとえば、昔よりも食品や日用品、光熱費が高くなったと感じる方は多いでしょう。物価が上がると、同じ金額で買えるものが少なくなります。
預金は元本が守られやすい一方で、お金を大きく増やす力は強くありません。そのため、生活に必要なお金は預金で守り、長期的に使う予定のないお金の一部をNISAで運用する、という考え方ができます。
大切なのは、預金か投資かの二択ではありません。守るお金と育てるお金を分けることです。
老後資金や教育資金を準備したい人
NISAは、老後資金や教育資金など、将来に向けたお金を準備したい人にも向いています。
特に老後資金は、短期間で用意するのが難しいお金です。毎月少しずつ積み立て、長い時間をかけて準備する方が現実的です。
教育資金についても、子どもが小さいうちから計画的に準備できれば、将来の負担を軽くしやすくなります。ただし、教育資金のように使う時期がある程度決まっているお金は、使う時期が近づいたらリスクを下げることも大切です。
たとえば、大学入学の直前に株式市場が大きく下がると、必要なタイミングで資産を取り崩しにくくなることがあります。
そのため、NISAで準備する場合でも、使う時期が近づいたら一部を現金化するなど、出口戦略を考えておきましょう。
投資初心者で何から始めればいいかわからない人
投資初心者にとって、最初のハードルは「何を買えばいいかわからない」という点です。
株式、投資信託、ETF、債券、REIT、外貨建て資産など、金融商品はたくさんあります。いきなり全部を理解しようとすると、頭の中が金融商品の見本市になります。
その点、NISAのつみたて投資枠は、長期・積立・分散投資に適した投資信託が中心です。選択肢がある程度絞られているため、初心者でも始めやすいです。
まずは、低コストで広く分散されたインデックスファンドを中心に検討するとよいでしょう。
NISAを始める前に準備しておきたいこと
NISAは、始めること自体はそれほど難しくありません。ネット証券なら、スマホやパソコンから口座開設できることも多いです。
ただし、勢いだけで始める前に、いくつか準備しておきたいことがあります。
生活防衛資金を確保する
NISAを始める前に、まず生活防衛資金を確保しましょう。
生活防衛資金とは、病気、失業、急な出費などに備えて、すぐ使える形で置いておくお金のことです。
目安は人によって異なりますが、会社員なら生活費の3〜6か月分、自営業や収入が不安定な人なら6か月〜1年分程度を現金で持っておくと安心です。
このお金までNISAに入れてしまうと、相場が下がっているときに生活費のために売却せざるを得なくなる可能性があります。
投資で大切なのは、良い商品を選ぶことだけではありません。下がったときに慌てて売らなくて済む状態を作ることも同じくらい大切です。
毎月いくらなら無理なく続けられるか考える
NISAでは、いくら投資するかを自分で決める必要があります。
ここで大切なのは、最初から無理をしないことです。
「NISAは年間360万円まで使える」と聞くと、満額投資しないと損な気がするかもしれません。しかし、枠を使い切ることよりも、生活を崩さずに続けることの方が大切です。
毎月の家計を見て、無理なく続けられる金額を決めましょう。
たとえば、最初は月5,000円や月1万円からでも構いません。慣れてきて、家計に余裕があるとわかれば、少しずつ増やしていけばよいのです。
投資は、長く続けることが大切です。最初から全力疾走すると、途中で息切れしてしまいます。資産形成はマラソンです。しかも、たまに坂道もあります。靴ひもを結び直しながら、ゆっくり進めば大丈夫です。
投資の目的を決める
NISAを始める前に、投資の目的を考えておきましょう。
目的がないまま投資を始めると、相場が下がったときに不安になりやすくなります。また、相場が上がったときにも「もっと増えるかも」と欲が出て、売るべきタイミングを見失うことがあります。
目的は、ざっくりでも構いません。
たとえば、次のような目的があります。
・老後資金を準備したい
・教育資金を作りたい
・将来の選択肢を増やしたい
・銀行預金だけでは不安なので、お金を育てたい
・早期退職やセミリタイアに向けて資産を作りたい
目的が決まると、投資期間やリスクの取り方も考えやすくなります。
短期で使うお金は入れない
NISAには、短期で使う予定のお金を入れないようにしましょう。
たとえば、1〜3年以内に使う予定がある住宅購入資金、車の購入資金、結婚資金、学費などは、基本的に現金や安全性の高い資産で準備する方が安心です。
株式市場は、短期間では大きく下がることがあります。使う直前に暴落が起きると、必要な金額を確保できなくなるかもしれません。
NISAは、できれば10年以上の長期で運用できるお金に向いています。
NISAで何を買う?初心者に向いている商品の考え方
NISAを始めるとき、多くの人が悩むのが「何を買えばいいのか」です。
ここで完璧な正解を探し始めると、なかなか投資を始められません。投資の世界では、未来を正確に当てることは誰にもできないからです。
大切なのは、未来を当てることではなく、大きく外しにくい考え方を持つことです。
まずは低コストのインデックスファンドが候補になる
初心者がNISAで投資を始めるなら、まず候補になりやすいのは低コストのインデックスファンドです。
インデックスファンドとは、日経平均株価、TOPIX、S&P500、全世界株式指数など、特定の指数に連動することを目指す投資信託です。
たとえば、全世界株式に投資するインデックスファンドであれば、日本、アメリカ、ヨーロッパ、新興国など、世界中の株式に広く分散投資できます。
個別株を1社ずつ選ぶ場合、その会社の業績や将来性を判断する必要があります。一方、インデックスファンドなら、1本の商品で多くの企業に分散投資できます。
もちろん、インデックスファンドでも値下がりすることはあります。しかし、特定の会社だけに集中投資するよりは、リスクを分散しやすいです。
信託報酬の低さは重要
投資信託を選ぶときは、信託報酬にも注目しましょう。
信託報酬とは、投資信託を保有している間にかかる運用管理費用のことです。目に見えて毎月引き落とされるわけではありませんが、投資信託の基準価額に反映されます。
長期投資では、このコストの差がじわじわ効いてきます。
たとえば、似たような投資対象の商品で、信託報酬が年0.1%の商品と年1.0%の商品があった場合、長期では大きな差になる可能性があります。
もちろん、安ければ何でもよいわけではありませんが、長期で保有するなら、コストはできるだけ抑えたいところです。
人気ランキングだけで選ばない
証券会社のサイトを見ると、投資信託の人気ランキングが掲載されていることがあります。
ランキングは参考になりますが、それだけで選ぶのはおすすめできません。
人気がある商品が、自分に合っているとは限らないからです。また、短期的に話題になっているテーマ型ファンドなどは、人気が高まった時点で価格がすでに上がっていることもあります。
NISAでは、長期で保有しやすい商品を選ぶことが大切です。
ランキングを見るときは、「なぜ人気なのか」「手数料は高くないか」「投資対象は広く分散されているか」「自分は長期で持ち続けられるか」を確認しましょう。
毎月分配型の商品には注意
NISAでは、毎月分配型の投資信託には注意が必要です。
毎月分配金が出ると、一見お得に見えるかもしれません。毎月お小遣いが入ってくるようで、気分は悪くありません。
しかし、長期の資産形成では、分配金を受け取るよりも、運用益を再投資して資産を増やしていく方が効率的な場合があります。
また、分配金は必ずしも利益から出ているとは限りません。元本を取り崩して分配しているケースもあります。
NISAの目的が長期的な資産形成であれば、分配金を頻繁に受け取る商品よりも、分配金を出さずに内部で再投資するタイプの商品が向いていることが多いです。
NISAの始め方を5ステップで解説
ここからは、NISAの始め方を具体的に見ていきましょう。
難しそうに感じるかもしれませんが、流れは意外とシンプルです。
ステップ1:金融機関を選ぶ
まずは、NISA口座を開設する金融機関を選びます。
NISA口座は、銀行、証券会社、ネット証券などで開設できます。ただし、1人につき1口座が基本です。
初心者には、取扱商品が多く、手数料が低めで、積立設定がしやすいネット証券が選ばれやすいです。
金融機関を選ぶときは、次のポイントを確認しましょう。
・買いたい投資信託があるか
・クレカ積立やポイント投資に対応しているか
・画面が使いやすいか
・手数料が高すぎないか
・サポート体制に不安がないか
「なんとなくいつもの銀行で」という理由だけで決めると、あとから買いたい商品がなくて困ることがあります。NISA口座は長く使う可能性が高いので、最初の金融機関選びは少し丁寧に行いましょう。
ステップ2:証券総合口座とNISA口座を開設する
NISAを利用するには、通常、証券総合口座とNISA口座を開設します。
申し込みには、本人確認書類やマイナンバー確認書類が必要になることが多いです。スマホで本人確認ができる金融機関なら、オンラインで手続きが完結する場合もあります。
申し込み後、税務署での確認を経て、NISA口座が開設されます。すでに他の金融機関でNISA口座を持っている場合は、新たに重複して開設することはできません。
過去にどこかでNISA口座を作った記憶がある人は、念のため確認しておきましょう。数年前に作って放置しているケースもあります。
ステップ3:投資する商品を選ぶ
NISA口座が開設できたら、投資する商品を選びます。
初心者の場合、まずはつみたて投資枠で低コストのインデックスファンドを選ぶ方法がわかりやすいです。
代表的な選択肢としては、全世界株式型、米国株式型、先進国株式型などがあります。
全世界株式型は、世界中の株式に広く分散したい人に向いています。米国株式型は、アメリカ企業の成長に期待したい人に向いています。先進国株式型は、日本を除く先進国などに分散したい人に選ばれることがあります。
どれが絶対に正解というわけではありません。大切なのは、自分が長く持ち続けられる商品を選ぶことです。
ステップ4:積立金額と積立日を設定する
商品を選んだら、積立金額と積立日を設定します。
毎月いくら投資するかは、自分の家計に合わせて決めましょう。
最初は少額で構いません。月1万円でも、月5,000円でも、まずは始めてみることに意味があります。
積立日は、給料日の後に設定すると続けやすいです。先に投資分を積み立て、残ったお金で生活する仕組みにすると、自然と資産形成が進みます。
ただし、生活費を削りすぎると続きません。投資のために毎月カツカツになって、心までカサカサになるのは避けたいところです。
ステップ5:始めた後は見守る
NISAで積立投資を始めたら、あとは基本的に見守ることが大切です。
毎日価格を確認すると、値動きが気になってしまいます。少し下がっただけで不安になり、少し上がっただけで売りたくなるかもしれません。
長期投資では、毎日の値動きよりも、数年、十数年単位で資産を育てる視点が大切です。
もちろん、完全に放置してよいわけではありません。年に1回程度は、投資金額、保有商品、資産配分、家計状況を確認しましょう。
ただ、相場のニュースに振り回されて頻繁に売買する必要はありません。NISAは、じっくり育てる畑のようなものです。毎日掘り返して根っこを確認していたら、育つものも育ちません。
NISAで失敗しやすい人の特徴
NISAは便利な制度ですが、使い方を間違えると失敗することもあります。
ここでは、NISAで失敗しやすい人の特徴を紹介します。自分に当てはまるところがあっても落ち込む必要はありません。気づいた時点で、もう半分くらい勝っています。
短期間で大きく儲けようとする人
NISAを使えば税金は有利になりますが、短期間で大きく儲かるとは限りません。
「数か月で資産を2倍にしたい」「話題の株で一発当てたい」という気持ちが強いと、値動きの激しい商品に集中投資しがちです。
うまくいけば大きな利益が出ることもありますが、逆に大きな損失を抱える可能性もあります。
NISAは、利益が出たときには非課税になりますが、損失が出たときの損益通算はできません。そのため、短期のハイリスク投資とは相性がよくありません。
生活費まで投資してしまう人
NISAの枠を使い切ろうとして、生活費まで投資してしまうのは危険です。
相場が下がっているときに急な出費があると、損をした状態で売却しなければならないかもしれません。
投資は、続けられる状態を作ることが大切です。生活を守るお金まで投資に回すと、精神的にも不安定になりやすくなります。
家計に余裕がないときは、NISAよりも先に固定費の見直しや生活防衛資金の確保を優先しましょう。
値下がりするとすぐ売ってしまう人
投資をしていると、必ずといっていいほど値下がりする時期があります。
そのたびに不安になって売ってしまうと、長期投資の効果を得にくくなります。
もちろん、保有している商品に問題がある場合は見直しも必要です。しかし、世界中に広く分散されたインデックスファンドを長期目的で保有している場合、短期的な下落だけで慌てて売る必要はないことも多いです。
相場が下がったときこそ、自分の投資目的を思い出しましょう。
よくわからない商品を買ってしまう人
NISAでは、さまざまな商品を購入できます。だからこそ、よくわからない商品を買わないことが大切です。
「SNSでおすすめされていた」「銀行の窓口で紹介された」「ランキング上位だった」という理由だけで買うのは危険です。
最低限、次のことは確認しましょう。
・何に投資している商品なのか
・手数料はどれくらいか
・値動きのリスクはどれくらいか
・長期で保有できそうか
・自分の目的に合っているか
わからない商品は、買わない勇気も大切です。投資では「見送る」という選択も立派な判断です。
NISAとiDeCoの違い
資産形成の制度として、NISAとよく比較されるのがiDeCoです。
どちらも税制メリットがありますが、仕組みは大きく異なります。
NISAは引き出しの自由度が高い
NISAの大きな特徴は、資産をいつでも売却して引き出せることです。
もちろん、相場状況によっては売却タイミングに注意が必要ですが、制度上は比較的自由に引き出せます。
そのため、老後資金だけでなく、教育資金、住宅資金、将来の選択肢を増やすお金など、幅広い目的で使いやすい制度です。
iDeCoは老後資金向けで原則60歳まで引き出せない
iDeCoは、老後資金を作るための私的年金制度です。
掛金が所得控除の対象になるなど、税制メリットは大きいですが、原則として60歳まで引き出せません。
そのため、途中でお金が必要になりそうな人には、やや使いにくい面があります。
一方で、老後資金として確実に残したい人にとっては、簡単に引き出せないことがメリットになる場合もあります。自分からお金を守る金庫のような存在です。
迷ったらまずNISAから始めるのも一案
NISAとiDeCoで迷った場合、まずNISAから始めるのも一つの方法です。
NISAは引き出しの自由度が高く、少額から始めやすいため、投資初心者にとって使いやすい制度です。
一方、iDeCoは税制メリットが大きいものの、資金拘束が強いため、生活防衛資金や将来の支出予定を考慮して利用する必要があります。
どちらが絶対に優れているというより、目的が違います。
NISAは「将来のために自由度高く育てるお金」、iDeCoは「老後のためにしっかり確保するお金」と考えるとわかりやすいでしょう。
NISAと特定口座の違い
NISAと特定口座の違いも、初心者が混乱しやすいポイントです。
どちらも投資信託や株式を買うための口座ですが、税金の扱いが違います。
NISA口座は利益が非課税
NISA口座では、投資で得た利益が非課税になります。
その代わり、投資できる金額には年間投資枠や非課税保有限度額があります。また、損失が出ても損益通算はできません。
つまり、NISAは利益が出たときに強い口座です。
特定口座は課税されるが損益通算できる
特定口座では、投資で利益が出ると税金がかかります。
特定口座のうち「源泉徴収あり」を選んでいれば、証券会社が税金を計算して差し引いてくれるため、税務手続きは比較的簡単です。
また、特定口座で損失が出た場合、他の上場株式等の利益や配当等と損益通算できる場合があります。条件を満たせば、損失を繰り越せることもあります。
この点はNISAにはないメリットです。
基本的にはNISAを優先しやすい
長期投資で利益を狙うなら、基本的にはNISA口座を優先しやすいです。
なぜなら、将来大きな利益が出たときに非課税のメリットが大きいからです。
ただし、短期売買をする場合や、損益通算を重視する場合は、特定口座の方が向いていることもあります。
初心者が長期で投資信託を積み立てるなら、まずNISAを活用し、枠を超える分を特定口座で投資するという考え方がシンプルです。
NISAでよくある誤解
NISAは有名な制度ですが、意外と誤解も多いです。
ここでは、よくある勘違いを整理しておきましょう。
誤解1:NISAなら必ず儲かる
NISAなら必ず儲かる、というのは誤解です。
NISAは、利益に税金がかからない制度です。利益が出るかどうかは、投資する商品や相場環境によって変わります。
元本保証ではないため、損をする可能性もあります。
「NISA=安全」ではなく、「NISA=税金面で有利」と理解しておきましょう。
誤解2:満額投資しないと意味がない
NISAは年間最大360万円まで投資できますが、満額投資しないと意味がないわけではありません。
月1万円でも、月3万円でも、長く続ければ資産形成につながります。
むしろ、無理に満額投資して生活が苦しくなる方が問題です。
NISAは、枠を埋めるゲームではありません。自分の生活に合ったペースで続けることが大切です。
誤解3:一度買ったら絶対に売ってはいけない
NISAは長期投資に向いていますが、一度買ったら絶対に売ってはいけないわけではありません。
ライフイベントでお金が必要になったときや、投資方針が変わったとき、保有商品に問題があると感じたときは、売却や見直しも選択肢になります。
ただし、相場が少し下がっただけで慌てて売るのは避けたいところです。
売却する前に、「なぜ売るのか」を自分に問いかけてみましょう。
誤解4:銀行でおすすめされた商品なら安心
銀行や証券会社で紹介された商品だからといって、必ずしも自分に合っているとは限りません。
金融機関は商品を販売する立場でもあります。もちろん、丁寧に説明してくれる担当者もいますが、最終的に判断するのは自分です。
手数料、投資対象、リスク、長期保有のしやすさを確認し、納得したうえで購入しましょう。
「よくわからないけど、すすめられたから買う」は避けたいところです。投資では、よくわからないまま買った商品ほど、下がったときに不安になります。
年代別のNISA活用法
NISAの使い方は、年齢やライフステージによって変わります。
ここでは、年代別にNISAの活用イメージを紹介します。
20代のNISA活用法
20代は、投資期間を長く取りやすい年代です。
まだ収入が大きくない人も多いかもしれませんが、少額から始めるだけでも大きな意味があります。
20代の強みは、時間です。月1万円の積立でも、20年、30年と続ければ、将来の資産形成に大きく貢献する可能性があります。
また、若いうちから投資に慣れておくと、相場の上げ下げに対する感覚も身につきます。
20代は、無理に大きな金額を投資するよりも、まずは習慣を作ることが大切です。
30代のNISA活用法
30代は、収入が増え始める一方で、結婚、住宅、子育てなど支出も増えやすい年代です。
この時期は、家計とのバランスを取りながらNISAを活用することが大切です。
生活防衛資金を確保したうえで、毎月無理のない金額を積み立てていきましょう。
30代は、老後までまだ時間があります。長期投資の効果を活かしやすい年代です。
一方で、教育資金や住宅購入資金など、使う時期が比較的近いお金まで投資に回しすぎないよう注意しましょう。
40代のNISA活用法
40代は、老後資金をより現実的に意識し始める年代です。
「このままで老後は大丈夫かな」と不安になる人も増えてきます。急に不安になって、いきなり高リスクな投資に走るのは避けたいところです。
40代でも、老後まで20年前後の時間があります。焦らず、長期・分散を意識した運用を続けることが大切です。
すでに特定口座で投資している人は、今後の新規投資をNISAに振り向けることも検討できます。
また、家計の固定費を見直し、浮いたお金をNISAに回すのも現実的な方法です。
50代のNISA活用法
50代は、老後が少しずつ近づいてくる年代です。
この年代では、資産を増やすことだけでなく、守ることも意識したいところです。
NISAを使う場合でも、すべてを株式型の投資信託に集中させるのではなく、預金や債券、現金比率とのバランスを考えることが大切です。
老後資金として使う時期が近づいている場合、相場が大きく下がったときに困らないよう、数年分の生活費を現金で確保しておくと安心です。
50代からでもNISAを始める意味はあります。ただし、20代や30代と同じリスクの取り方が合うとは限りません。
60代以降のNISA活用法
60代以降でも、NISAを活用することはできます。
ただし、運用期間や取り崩し時期をより意識する必要があります。
老後資金をすぐに使う予定がある場合、そのお金をすべて投資に回すのは危険です。一方で、すぐに使わない余裕資金については、NISAで運用する選択肢もあります。
60代以降は、増やすことと同じくらい、減らしすぎないこと、使うタイミングに困らないことが大切です。
必要なお金は現金で確保し、長期で置いておけるお金の一部をNISAで運用する、というバランスを意識しましょう。
NISAでおすすめしない使い方
NISAは便利な制度ですが、使い方によってはメリットを活かしにくくなります。
短期売買を繰り返す
NISAで短期売買を繰り返すのは、あまりおすすめできません。
年間投資枠には上限があり、売却してもその年の年間投資枠は復活しません。
短期売買で枠を使い切ってしまうと、本来長期で育てたい投資に使える枠が減ってしまいます。
また、短期売買は相場を読む力が求められます。初心者が安定して利益を出すのは簡単ではありません。
話題のテーマ株に集中投資する
AI、半導体、宇宙、再生エネルギーなど、話題になるテーマはたくさんあります。
将来性のある分野に投資すること自体は悪くありません。しかし、話題になってから集中投資すると、高値づかみになる可能性があります。
NISAでは損失が出ても損益通算できないため、集中投資のリスクは慎重に考える必要があります。
テーマ型の商品を買う場合でも、資産全体の一部にとどめるなど、リスクを抑える工夫をしましょう。
手数料の高い商品をなんとなく買う
長期投資では、手数料がとても大切です。
手数料が高い商品を長く持つと、それだけ運用成果を圧迫します。
特に、購入時手数料がかかる商品や、信託報酬が高い商品は注意が必要です。
「担当者にすすめられたから」「人気があるらしいから」という理由だけで買うのではなく、コストを確認しましょう。
暴落時に全部売ってしまう
相場が大きく下がると、不安になるのは自然なことです。
しかし、長期投資を前提にしている場合、暴落時にすべて売ってしまうと、その後の回復を逃してしまう可能性があります。
もちろん、投資方針そのものが間違っていた場合は見直しも必要です。ただ、世界中に分散された商品を長期で積み立てているなら、暴落時こそ冷静さが大切です。
暴落は気持ちの面ではつらいですが、積立投資では安く買える時期でもあります。
NISAを続けるコツ
NISAは、始めることよりも続けることの方が大切です。
ここでは、NISAを長く続けるためのコツを紹介します。
投資金額を無理に増やしすぎない
最初から投資金額を増やしすぎると、少し相場が下がっただけで不安になりやすくなります。
投資は、精神的に続けられる金額で行うことが大切です。
夜眠れなくなるほどの金額を投資しているなら、それは少しリスクを取りすぎているかもしれません。
NISAは長く使える制度です。焦って一気に枠を埋める必要はありません。
相場を見すぎない
投資を始めると、つい毎日評価額を見たくなります。
しかし、長期投資では、毎日の値動きを見すぎると疲れてしまいます。
上がった日は気分が良くなり、下がった日は不安になる。この繰り返しでは、心が相場に振り回されてしまいます。
確認するのは、月1回や数か月に1回でも十分です。
投資は、見ている時間が長いほど増えるわけではありません。植物も、じっと見つめ続けたからといって早く育つわけではないですよね。
暴落時のルールを先に決めておく
相場が大きく下がったとき、人は冷静な判断をしにくくなります。
だからこそ、平常時にルールを決めておくことが大切です。
たとえば、次のようなルールです。
・積立投資は相場が下がっても続ける
・生活防衛資金には手をつけない
・評価額が下がっても、すぐに売却しない
・どうしても不安なときは、投資額を少し下げる
・売却する前に一晩置いて考える
ルールがあると、感情だけで動きにくくなります。
年に1回は見直す
NISAは基本的に長期で続けるものですが、完全放置でよいわけではありません。
年に1回程度は、家計状況や投資方針を確認しましょう。
収入が増えたなら積立額を増やしてもよいですし、支出が増えたなら一時的に減らしても構いません。
大切なのは、やめてしまうことではなく、続けられる形に調整することです。
人生には、予定外の出費や環境の変化があります。NISAも、自分の生活に合わせて柔軟に使っていきましょう。
NISAに関するよくある質問
いつ始めるのがいい?
NISAは、生活防衛資金があり、当面使わない余裕資金があるなら、早めに始めるほど長期投資の時間を確保しやすくなります。
ただし、焦って始める必要はありません。
投資内容を理解せずに大きな金額を入れるより、少額から始めて少しずつ慣れる方が安心です。
月いくらから始めるべき?
月いくらが正解というものはありません。
家計に無理のない金額から始めましょう。
目安としては、手取り収入の5〜10%程度を投資に回す人もいますが、家族構成や支出、貯金額によって適切な金額は変わります。
最初は月5,000円や月1万円でも十分です。
おすすめの商品は?
初心者には、低コストで広く分散されたインデックスファンドが候補になりやすいです。
たとえば、全世界株式型、米国株式型、先進国株式型などがあります。
ただし、どの商品が合うかは、投資目的やリスク許容度によって異なります。
「人気だから」ではなく、「自分が長期で持ち続けられるか」を基準に考えましょう。

私は主に「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、通称オルカンを積み立て投資をしています。
途中で売ってもいい?
NISAの商品は途中で売却できます。
売却した商品の取得金額分は、翌年以降に非課税保有限度額として再利用できます。
ただし、年間投資枠はその年のうちには復活しません。
また、短期的な値下がりに驚いて売却すると、長期投資の効果を得にくくなることがあります。売却する理由をよく考えてから判断しましょう。
NISA口座は金融機関を変更できる?
NISA口座は、年単位で金融機関を変更できます。
ただし、変更には手続き期間や条件があります。また、その年にすでにNISA枠で買付をしている場合、その年分の金融機関変更ができないことがあります。
金融機関を変更したい場合は、早めに現在の金融機関と変更先の金融機関で手続きを確認しましょう。
NISAで損したら税金は戻る?
NISA口座で損失が出ても、その損失を他の利益と損益通算することはできません。
また、損失の繰越控除もできません。
NISAは利益が出たときに非課税になるメリットがある一方で、損失が出たときの税務上の救済が使えない点には注意しましょう。
NISAと貯金はどちらを優先すべき?
まずは生活防衛資金として、一定の貯金を優先するのがおすすめです。
そのうえで、当面使う予定のないお金をNISAで運用するのが基本です。
貯金は守るお金、NISAは育てるお金です。どちらか一方ではなく、役割を分けて考えましょう。
NISAを始めるなら意識したい3つの考え方
NISAをうまく活用するには、制度の知識だけでなく、投資に向き合う考え方も大切です。
1. 完璧なタイミングを狙わない
投資を始めるとき、多くの人が「今は高いのでは?」「もう少し下がってから買った方がいいのでは?」と考えます。
しかし、完璧なタイミングを当てるのはプロでも難しいです。
タイミングを待ち続けているうちに、何年も投資を始められないこともあります。
積立投資なら、購入タイミングを分散できます。まずは少額で始めて、時間を味方につけることを意識しましょう。
2. 他人と比べない
NISAを始めると、SNSなどで「今年はこれだけ増えた」「満額投資している」といった投稿を見ることがあります。
それを見ると、自分の投資額が少なく感じたり、焦ったりするかもしれません。
しかし、収入、支出、家族構成、資産状況、リスク許容度は人それぞれです。
他人の投資額は、その人の家計に合っているだけかもしれません。自分に合っているとは限らないのです。
NISAは、他人と競う制度ではありません。自分の未来のために、自分のペースで使う制度です。
3. 続けられる仕組みを作る
NISAで大切なのは、続けることです。
そのためには、気合いよりも仕組みが大切です。
毎月自動で積み立てる設定にしておけば、投資を習慣化しやすくなります。
給料が入ったら自動で積み立てる。残ったお金で生活する。この流れを作ると、無理なく資産形成を続けやすくなります。
人間の意思は、意外と頼りないものです。夜に「明日から早起きする」と誓っても、朝になると布団が全力で引き止めてきます。だからこそ、仕組みで続けることが大切です。
NISA口座でおすすめの証券会社 TOP5
NISAで取引をするには、専用の口座が必要です。以下、おすすめの口座を5つ紹介します!
楽天証券なら、楽天ポイントでの投資も可能。楽天カードからの引き落としで投資すればポイントが貯まりやすく、貯まったポイントをさらにNISA口座へまわすこともできます。

特に積立投資では、この楽天カードと楽天ポイントの合わせ技がジワジワ効果を発揮してくるのでめっちゃおすすめ!
私は楽天証券でNISAを使い続けています。
SBI証券もNISA以外にあらゆる投資を扱っていおり、iDeCoのラインナップも充実していておすすめですよ。

私はNISA口座は楽天証券を利用していますが、iDeCoはSBI証券というように使い分けています
GMOクリック証券はNISAだけでなく、株式やFXなどあらゆる投資で定評のある証券会社です。
知名度はSBI証券などには劣るものの、マネックス証券も使いやすくておすすめですよ。
DMM.com証券のDMM株でも、NISA以外に色んな投資ができます。株式の取引コストに関しては、業界トップクラスで安いです。
わかりやすい!NISAのお役立ち情報サイト
NISAについてもっと詳しく知りたいのなら、日本証券業協会の「みんなにいいさ!NISAがいいさ!!」がおすすめです。
ダジャレっぽい名前のサイトですが、NISAの仕組みについて詳しく解説してくれています。
まとめ:NISAは焦らず、無理なく、長く付き合う制度
NISAは、投資で得た利益が非課税になる、とても使いやすい制度です。
2024年からは制度が大きく変わり、非課税保有期間が無期限になり、年間投資枠も拡大されました。つみたて投資枠と成長投資枠を併用でき、長期的な資産形成に活用しやすくなっています。
ただし、NISAは魔法の制度ではありません。
元本保証ではありませんし、NISA口座で出た損失は損益通算や繰越控除ができません。投資する商品によっては、大きく値下がりすることもあります。
だからこそ、NISAを使うときは、生活防衛資金を確保し、余裕資金で、無理のない金額から始めることが大切です。
初心者の場合は、まずつみたて投資枠を使って、低コストで広く分散されたインデックスファンドをコツコツ積み立てる方法がわかりやすいでしょう。
大切なのは、短期間で結果を求めすぎないことです。
NISAは、今日始めて明日お金持ちになる制度ではありません。むしろ、未来の自分に少しずつ仕送りをしていくような制度です。
毎月少しずつでも積み立てていけば、数年後、十数年後の自分が「あのとき始めておいてよかった」と感じるかもしれません。
焦らなくて大丈夫です。満額投資できなくても大丈夫です。大切なのは、自分の生活を守りながら、できる範囲で長く続けることです。
NISAは、人生を一発逆転させる派手な制度ではありません。しかし、コツコツ続ける人にとっては、将来の安心を育てる心強い味方になります。
まずは少額からでも、自分に合ったペースで始めてみてください。
未来のお金は、今日の小さな一歩から育っていきます。









